第5回全国中等学校優勝野球大会

第5回全国中等学校優勝野球大会

大正8年、すなわち1919年の夏、全国の野球少年たちが憧れる大会が再び幕を開けました。第5回全国中等学校優勝野球大会は、8月13日から8月19日までの期間、当時高校野球の主要な舞台であった鳴尾球場を会場として開催されました。

前年、大正7年の大会は、全国的に拡大した米騒動の影響を受け、やむなく中止の運びとなりました。そのため、本大会は2年ぶりに開催されることとなり、参加する各校にとっても、待ちに待った晴れ舞台となりました。

今大会の最大のトピックは、地元兵庫県から出場した神戸一中が見事な戦いぶりを見せ、初の全国制覇を達成したことです。地元ファンの熱烈な応援を背に、選手たちは日頃の練習の成果を存分に発揮し、栄えある優勝旗をその手につかみました。

提供されている情報に基づくと、大会は以下のような経過をたどりました。

1回戦

松山商は竜ヶ崎中を12対4で下し、順調に勝ち進みました。
盛岡中は同志社中との緊迫した試合を演じ、4x対3とサヨナラで勝利をもぎ取りました。
小倉中は長岡中に9対1と大差をつけて快勝しました。
慶応普通部は豊浦中を2対0で退け、次戦に進みました。
鳥取中は愛知一中との接戦を4対3で制しました。
地元優勝を目指す神戸一中は、和歌山中と対戦し、3対1で勝利を収めました。

準々決勝

長野師範は市岡中を2対0で破り、準決勝進出を決めました。
神戸一中は慶応普通部と再び相まみえ、3対0で勝利しました。
盛岡中は投手戦となった試合で松山商を1対0で破り、準決勝への切符を手にしました。
このラウンドで最も注目を集めたのは、小倉中と鳥取中の試合でした。両校一歩も譲らず、延長戦に突入。激闘は延長15回まで及び、最終的に小倉中が4対2で勝利を収めるという死闘となりました。

準決勝

準々決勝を勝ち上がった4校による対戦となりました。長野師範は準々決勝の激闘を制した小倉中を1対0で破り、決勝戦へ駒を進めました。
もう一方の準決勝では、地元代表の神戸一中が盛岡中と対戦。神戸一中は持ち前の打力と堅守を見せ、8対0と盛岡中に快勝。満を持して決勝戦へと駒を進めました。

決勝

提供されている情報からは詳細なスコアは確認できませんが、この決勝戦で神戸一中が見事勝利を収め、記念すべき大会初優勝を果たしました。地元の大声援が、選手たちの大きな力となったことは想像に難くありません。

今大会には、後の日本の野球界で活躍する選手も出場していました。例えば、和歌山中の一塁手として出場した井口新次郎選手は、その一人として記録に残っています。

2年ぶりに開催された第5回大会は、地元校の初優勝という大きなドラマとともに幕を閉じました。参加した各校の選手たちの情熱は、確かに次なる世代へと受け継がれていったことでしょう。

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