第51回ニューヨーク映画批評家協会賞

第51回ニューヨーク映画批評家協会賞

ニューヨーク映画批評家協会賞は、全米各地に存在する映画批評家協会の中でも特に長い歴史と高い権威を持つ団体の一つ、ニューヨーク映画批評家協会が主催する映画賞です。その年の優れた映画や映画関係者を選出し、表彰します。

第51回となるこの賞は、1985年にアメリカで公開された作品を主な対象として選考が行われました。受賞結果は1985年12月18日に発表され、翌年1986年1月26日にニューヨークで授賞式が催されました。

この年の最も栄誉ある賞とされる作品賞には、ジョン・ヒューストン監督の『女と男の名誉』が選ばれました。

主要な個人賞では、主演男優賞に『女と男の名誉』で印象的な演技を見せたジャック・ニコルソンが輝きました。主演女優賞は、アルゼンチン映画『オフィシャル・ストーリー』のノルマ・アレアンドロが受賞し、国際的な演技が高く評価されました。助演男優賞は、シドニー・ポラック監督の『愛と哀しみの果て』に出演したクラウス・マリア・ブランダウアーに贈られました。そして、助演女優賞も作品賞を受賞した『女と男の名誉』から、アンジェリカ・ヒューストンが受賞しています。

監督部門では、監督賞が作品賞も手にした『女と男の名誉』のジョン・ヒューストン監督に授与され、主要なカテゴリでの本作の強さが際立ちました。

脚本部門では、ウディ・アレンが自身の監督作である『カイロの紫のバラ』で脚本賞を獲得しました。現実と虚構が交錯する独特の物語が高く評価された形です。

技術部門では、シドニー・ポラック監督の『愛と哀しみの果て』で、広大なアフリカの風景などを美しく捉えたデヴィッド・ワトキンが撮影賞を受賞しました。

国際的な作品を対象とする外国語映画賞には、日本から出品された黒澤明監督の壮大な時代劇『乱』が選出されました。これは日本の映画作品が、その芸術性と完成度の高さでニューヨークの批評家たちから絶賛されたことを示しています。

第51回ニューヨーク映画批評家協会賞は、『女と男の名誉』が作品賞、主演男優賞、助演女優賞、監督賞の主要4部門を制覇するという結果となりました。一方で、『オフィシャル・ストーリー』からの主演女優賞、『愛と哀しみの果て』からの助演男優賞と撮影賞、『カイロの紫のバラ』からの脚本賞、そして日本の『乱』への外国語映画賞授与など、バラエティに富んだ作品や俳優、監督、技術者が評価された年となりました。これらの受賞結果は、1985年という年の映画界を振り返る上で重要な指標の一つとなります。

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