第53期棋聖戦 (将棋)

第53期棋聖戦 概要

将棋界の重要なタイトル戦の一つである棋聖戦の第53期は、1988年度後期にあたる1988年4月1日から翌1989年2月3日にかけて開催されました。

棋聖戦の仕組み

棋聖戦は、数多くのプロ棋士が参加する大規模な棋戦であり、挑戦者を決定するための厳しい予選トーナメントと、タイトル保持者と挑戦者による五番勝負で構成されます。

一次予選: 全参加棋士の中から、まず一次予選が実施されます。主に若手や段位が比較的下位の棋士が参加し、本戦出場を目指して戦います。
二次予選: 一次予選を勝ち抜いた棋士と、規定によりシードされた棋士の一部が参加します。ここを突破すると、本戦トーナメントへの出場権が得られます。
* 本戦: 二次予選を勝ち上がった棋士と、タイトル保持者や永世称号者、前年度の成績優秀者など、上位のシード棋士が一堂に会し、トーナメント方式で対局が行われます。この本戦トーナメントを勝ち抜いた一名が、その期の棋聖への挑戦者となります。

そして、挑戦者と棋聖位保持者との間で、五番勝負が行われ、先に3勝した棋士が新たな棋聖、あるいは棋聖位を防衛した棋士となります。

五番勝負

第53期棋聖戦の五番勝負は、当時の棋聖位保持者であった田中寅彦九段に、本戦トーナメントを勝ち上がった中原誠王座（当時）が挑戦する顔合わせとなりました。

田中寅彦九段は前年（第52期）に初めて棋聖位を獲得しており、初防衛を目指す戦いでした。一方、中原誠王座は、かつて棋聖位を何度も獲得し、永世棋聖の資格も持つ将棋界のレジェンドの一人であり、棋聖位奪還を目指しました。

この注目の五番勝負は、両者の実力が拮抗した激しい戦いとなり、互いに譲らず、最終局までもつれ込むフルセットの展開となりました。結果は、中原誠王座が3勝2敗で田中寅彦棋聖を退け、見事棋聖位を獲得しました。この勝利により、中原誠九段は再び棋聖のタイトルをその手に収めました。一方、田中寅彦九段は惜しくも初防衛はならず、棋聖位を失いました。

参考情報

本棋戦に関する詳細な情報や、各対局の棋譜、記録などは、関連する文献の脚注や、将棋界の公式情報が掲載されている外部リンクを通じて参照することができます。特に、公益社団法人日本将棋連盟の公式サイトにある棋聖戦のページや、その年の将棋年鑑には、本棋戦に関する公式な記録が収められています。

第53期棋聖戦は、中原誠九段が棋聖位を奪還した、将棋史においても記憶されるシリーズの一つと言えるでしょう。

もう一度検索