第55回全国高等学校野球選手権大会

第55回全国高等学校野球選手権大会

1973年の夏、高校野球の聖地である阪神甲子園球場を舞台に、第55回全国高等学校野球選手権大会が開催されました。この大会は、記念大会として位置づけられ、例年よりも規模を拡大して実施されました。全国各都道府県から選ばれた代表校に加え、北海道からは南北に分かれて2校が出場。合計48校が全国の頂点を目指し、熱戦を繰り広げました。

大会は1973年8月8日に開幕し、白熱した戦いが14日間にわたり展開され、8月22日に閉幕を迎えました。

大会の経過

大会序盤の1回戦から、延長戦にもつれ込む好勝負が相次ぎました。特に、高松商対取手一戦（延長11回）、作新学院対柳川商戦（延長15回）、銚子商対岡山東商戦（延長12回）、京都商対札幌商戦（延長11回）、盛岡三対八代東戦（延長11回）など、緊迫した試合が展開され、球場を沸かせました。

2回戦に進むと、各地の有力校が登場し、さらにレベルの高い戦いが繰り広げられました。富山商や福井商、高知商、鳥取西などが順当に勝ち進む一方、北陽や旭川竜谷といった新たな顔ぶれも存在感を示しました。静岡高校は海星高校を相手に10対0と大勝するなど、強さを見せつけました。前年の優勝校である作新学院は、銚子商との延長12回に及ぶ激闘の末、惜しくも敗退するという波乱もありました。

3回戦では、ベスト8進出をかけた戦いが繰り広げられました。川越工が福井商を下し、静岡が天理を破るなど、実力校が勝ち上がりました。特に、高知商対盛岡三戦は延長14回、今治西対旭川竜谷戦は延長10回と、ここでも長いイニングに及ぶ接戦が見られました。広島商は日田林工との接戦を制し、準々決勝へと駒を進めました。

準々決勝では、ベスト4をかけた戦いが行われました。川越工が富山商を、広島商が高知商を、今治西が北陽を、そして静岡が銚子商をそれぞれ下し、準決勝進出校が出揃いました。

準決勝では、静岡対今治西、広島商対川越工の組み合わせとなりました。静岡は今治西に6対0で快勝し、決勝へ進出。もう一方のカードでは、広島商が川越工を7対0で退け、静岡とともに決勝の舞台に立つことになりました。

決勝戦は、静岡高校と広島商業高校の間で行われ、激しい攻防が繰り広げられました。

大会本塁打

今大会では、以下の選手が本塁打を記録しました。

第1号：山北芳敬（中京商） - 1回戦
第2号：森田直樹（今治西） - 1回戦
第3号：金森道正（天理） - 1回戦
第4号：和木茂記（鳴門工） - 1回戦
第5号：中山明（高知商） - 2回戦
第6号：鹿田和彦（旭川竜谷） - 2回戦
第7号：植松精一（静岡） - 2回戦
第8号：森田直樹（今治西） - 2回戦
第9号：大谷敏夫（今治西） - 3回戦
第10号：達川光男（広島商） - 準々決勝

今治西高校の森田直樹選手は、1回戦と2回戦で合計2本の本塁打を放ちました。また、準々決勝では広島商の達川光男選手が本塁打を記録するなど、各ラウンドで印象的なアーチが描かれました。

第55回大会は、記念大会として多くの学校が出場し、延長戦など手に汗握る試合が多く展開された、記憶に残る大会となりました。

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