第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会

第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会概要

1983年12月29日から1984年1月7日まで、近鉄花園ラグビー場で開催された第63回全国高等学校ラグビーフットボール大会。奈良県の天理高校が見事に優勝し、12年ぶりとなる5回目の全国制覇を達成しました。この大会は、従来の優勝校の推薦枠がなくなり、新たに開催地大阪から1校が参加できるようになりました。また、キャプテンシーを重視する方針から、監督がスタンドから試合を見守る形が導入されました。

大会日程

大会は次のように組まれており、各試合の枠が設定されました。

• - 1回戦：12月29日、30日
• - 2回戦：1月1日
• - 準々決勝：1月3日
• - 準決勝：1月5日
• - 決勝：1月7日

試合は1回戦が25分ハーフ、それ以降は30分ハーフで実施。万が一同点で終了した場合は、抽選によって次回出場校を決定します。

出場校シード一覧

大会には以下のようなシード校が存在しました。

• - 第1シード: 伏見工
• - 第2シード: 大阪工大高
• - 第3シード: 国学院久我山
• - 第4シード: 天理
• - 第5シード: 秋田工
• - 第6シード: 大分舞鶴
• - 第7シード: 熊谷工
• - 第8シード: 本郷

試合要約

準決勝

天理高校は準決勝で日川と対戦し、12-7で勝利を収めました。また、大分舞鶴も大津に13-6で勝ち上がり、決勝へと駒を進めました。

決勝戦

決勝の対戦は、天理高校と大分舞鶴です。天理は試合を通じてリードを保ちながら進行しますが、後半のインジュアリータイムに突入した際、大分舞鶴がタッチラインを狙ったミスキックを拾い、トライを成功させます。これにより、スコアは18-16となり、同点となる可能性が生じます。

主将の福浦がゴールキックを試みますが、惜しくもキックは左に外れ、試合は終了。天理高校の優勝が決まりました。この試合の結果は、多くの感動を呼ぶことになり、後に「高校ラグビー史に残る名勝負」と評されることとなります。

決勝の背景エピソード

決勝戦には、主将福浦孝二が鹿屋体育大学の推薦入試の日と重なり、出場が危ぶまれる場面がありました。しかし、ラグビーファンの支援を受けて、大学側が特例措置を講じて受験を早め、試合に出場できることとなりました。試合終了後、福浦は放心状態に陥りつつ、名勝負の一部となりました。

また、放送を観ていた松任谷由実は、この試合からインスピレーションを受け、自らの楽曲『ノーサイド』を制作しました。これはラグビーをテーマとする名曲の一つとして知られています。

30年後の2014年、両校の選手たちは当時の試合を振り返る意味で「再戦」を行い、特別ルールのもと大分舞鶴が勝利を収め、雪辱を果たしました。福浦は無事大学に合格し、現在は教員として活躍しています。

関連試合

この大会に関連して、1984年1月15日には国立競技場で行われた高校ラグビー版オールスターゲーム「第7回高校東西対抗試合」が開催されました。これは特に活躍を見せた選手たちを集めたもので、西軍が8-7で勝利した戦いです。

参考文献

• - 日本ラグビー2005 公式戦主要記録 ISBN 4-583-03863-1

大会の公式サイトでは、歴代の優勝校が確認できます。

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