第68回ヴェネツィア国際映画祭

第68回ヴェネツィア国際映画祭

2011年8月31日から9月10日までの期間、イタリアの美しい水の都、ヴェネツィアで第68回ヴェネツィア国際映画祭が開催されました。この映画祭は、世界中の映画ファンにとって待望のイベントであり、多くの注目作が上映されました。

審査委員長と受賞者

審査委員長を務めたのは、アメリカの映画監督ダーレン・アロノフスキーです。彼は数々の名作を手掛けている監督であり、映画に対する深い理解と独自の視点で審査を行いました。特別な賞として、アメリカの名優アル・パチーノに「監督・ばんざい!賞」が授与されました。彼の監督作品『Wilde Salome』が9月4日に上映される前に、その栄誉が贈られました。また、マルコ・ベロッキオには生涯功労賞が送られ、彼の映画芸術への貢献が称えられました。

開会式とコンペティション部門

映画祭のオープニング作品は、ジョージ・クルーニーが監督を務めたアメリカ映画『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』で、豪華な舞台で幕を開けました。映画祭ではコンペティション部門が設けられ、世界各国から集められた映画がしのぎを削りました。

映画祭の部門

今回の映画祭では、コンペティション部門のほかに、コンペティション外の長編映画や短編映画、独立部門、国際批評家週間、そしてヴェニス・デイズというセクションも用意されていました。これによって、さまざまなジャンルやスタイルの映画が上映され、多くの来場者に楽しんでもらえました。

審査員の顔ぶれ

国際コンペティションの審査には、ダーレン・アロノフスキーを中心に、フィンランドのヴィジュアルアーティスト・映画製作者エイヤ＝リーサ・アハティラ、イギリスの音楽家デヴィッド・バーン、アメリカの映画監督トッド・ヘインズ、イタリアの映画監督マリオ・マルトーネ、女優アルバ・ロルヴァケル、フランスの映画監督アンドレ・テシネなど、各国から多彩な顔ぶれが集まりました。

また、オリゾンティ部門では、賈樟柯が審査委員長を務め、国際的な観点から新進気鋭の作品を評価しました。さらに、Controcampo Italiano部門の審査委員長はイタリアの作家ステファーノ・インチェルティが務め、イタリア映画の未来を見据えた選考が行われました。

受賞結果

映画祭の結果は、各部門ごとの受賞作品が発表されました。最高賞である金獅子賞はアレクサンドル・ソクーロフの『ファウスト』が受賞し、銀獅子賞（監督賞）はツァイ・シャンジュンが『人山人海』によって受けました。審査員特別賞にはエマヌエーレ・クリアレーゼの『海と大陸』が選ばれました。

個人賞では、男優賞がマイケル・ファスベンダーの『SHAME -シェイム-』、女優賞がディニー・イップの『桃さんのしあわせ』、さらには新人俳優としてのマルチェロ・マストロヤンニ賞が染谷将太と二階堂ふみに授与されました。

脚本賞にはヨルゴス・ランティモスとエフティミス・フィリップの『アルプス』、撮影賞にはロビー・ライアンの『ワザリング・ハイツ 〜嵐が丘〜』が選ばれ、質の高い作品が揃った映画祭となりました。

このように、第68回ヴェネツィア国際映画祭は、多彩な作品と才能が集まり、映画の可能性を再確認できる素晴らしいイベントとなったのです。

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