第70回安田記念

第70回安田記念概要

2020年6月7日、東京競馬場で行われた第70回安田記念。このレースでは、グランアレグリアが優勝の栄冠を手にしました。しかし、このレースは新型コロナウイルス感染症の影響を色濃く受けていました。政府からの緊急事態宣言のもと、無観客開催が決定され、投票券は電話やインターネットのみでの取り扱いという異例の開催となりました。

新型コロナウイルスによる影響

2020年の安田記念では、2月以降の公営競技がすべて無観客で行われていました。このため、ファンがスタンドで競走を観戦することはできず、投票券についても場外販売は停止され、オンラインでの投票がメインとなりました。無観客開催は、競馬だけでなく他の公営競技にも影響を及ぼし、競馬の無観客措置は10月まで続くこととなりました。

レース前の展望

前年の有馬記念で思わぬ敗北を喫したアーモンドアイは、ドバイターフが中止になった後、ヴィクトリアマイルでは圧勝を収めました。これにより彼女は安田記念でのリベンジを期して出走しました。アーモンドアイは単勝オッズ1.3倍という圧倒的な人気を集めていました。一方で、インディチャンプは7.0倍で2番人気、グランアレグリアやダノンプレミアムなど他のGI馬はすべて2桁台のオッズとなりました。

出走馬とレース当日の天候

開催日：2020年6月7日
レース：第3回東京競馬第2日目 第11競走
天候：晴れ
馬場状態：稍重
発走時刻：15時40分

レースの展開

このレースは、多くの競走馬が出走する中でしっかりと戦略を立てて臨むことが求められました。レースが始まると、クルーガーが出遅れ、アーモンドアイも同様に後手を踏む形となりました。ダノンスマッシュが大外から先手を取り、続いてミスターメロディやダノンプレミアム、アドマイヤマーズが前に出る展開となりました。グランアレグリアとインディチャンプは中団を維持し、アーモンドアイは後方で様子を見る形となりました。レース中、グランアレグリアの騎手池添謙一は、他馬が蹴り上げた芝の塊が顔面に直撃し、負傷を負うという大きなトラブルに見舞われました。

残り400mでグランアレグリアが前に出ると、勢いを増しながら先頭に立ち、後続を引き離していきました。最終的にはグランアレグリアが1着でゴールし、アーモンドアイもインディチャンプを交わして2着に入線しました。ノームコアは3着争いに加わったものの、4着となりました。

結果とその後

グランアレグリアは、2019年の桜花賞以来のGI2勝目を獲得しました。池添騎手はレース後、負傷があったにも関わらず勝利に喜びを見せました。一方、アーモンドアイの敗北は大きな衝撃を与え、彼女の競走人生に一つの節目を迎えることとなりました。このレースはアーモンドアイにとって、彼女が走った最後の競走となることが後に明らかになりました。レースの売り上げは前年に対して93%減少し、約190億円という結果となりました。

このように、安田記念はただの競走ではなく、コロナ禍の影響を受けた特別なレースとして位置づけられることになりました。

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