第72回NHK紅白歌合戦

2021年の大晦日、12月31日に行われた第72回NHK紅白歌合戦は、19時30分から23時45分まで生放送されました。今回は、東京都渋谷区のNHKホールが耐震工事中であったため、メイン会場は東京国際フォーラム・ホールA（東京都千代田区）に変更されました。この会場での開催は、1972年の東京宝塚劇場以来49年ぶりという特別な年となりました。

開催前の準備

2021年10月7日、NHKはこの紅白歌合戦を有観客で開催することを発表しました。新型コロナウイルスの影響で2年間無観客開催が続いた後の、観客を迎えての開催となります。10月17日には五木ひろしが自身のコンサートにおいて、出場しない意向を示しました。

この年は、司会者の名称が「新総合司会」に統一されることも決定され、テーマは「Colorful〜カラフル〜」に決まりました。これは、コロナ禍での暗い日々に対抗するかのように、2021年の最後の夜を少しでもカラフルにしたいという思いが込められています。ロゴデザインは赤から白へのグラデーションが使われ、多様な価値観を重んじる意図が示されています。

出場歌手と目玉企画

11月19日には出場歌手が発表され、特別企画として松平健の「マツケンサンバII」も話題となりました。12月に入ると、さらに曲目や演出内容が次々と明らかになりました。
特別企画として、アニメ人気作品となっている『ドラゴンクエスト』や『鬼滅の刃』と共同で行われるコーナーも設定され、東京交響楽団が演奏し、高橋洋子も参加することになりました。

新たに追加発表された藤井風が初出場し、特別企画としてさだまさしが生中継で歌唱することが決まると、12月のクリスマスの頃には石川さゆりのゲスト出演情報など、多彩なラインナップが明らかになりました。

当日の模様

当日は、司会者の和久田麻由子、川口春奈、大泉洋が登場し、開幕宣言が行われました。今回の形式は、従来の入場クレジットがなくなり、直ちに対戦が始まる形となりました。紅組先攻のトップバッターにはLiSAが登場し、その後白組の郷ひろみが続きました。

この年も、ラジオ中継を活用しながら、さまざまな演出が行われました。特に注目されたのが、YOASOBIが特別企画にも参加し、彼らの代表曲「群青」をオーケストラとともに披露する場面でした。個性的な演出が続く中で、参加アーティストのコラボも話題を集めました。

結果発表とその後

収録されたすべての演奏が終わった後、結果発表が行われました。ゲスト審査員、会場審査員、視聴者審査員からの投票によって、紅組が優勝する結果に。これは前回に続き、2連勝となりました。

視聴率は、平均31.5%を記録し歴代最低となったものの、2990万人以上が視聴したというデータもあります。多様化する視聴習慣が影響したとする意見もあり、NHK側もこの新しい状況を受けとめつつ、次の企画に向けた準備を進める姿勢を示しました。

終わりに

第72回NHK紅白歌合戦は、様々な観点から見ると、多くの挑戦を行った年となりました。新たな形の視覚体験や技術を駆使した演出が数多く見られ、次回以降の紅白歌合戦にも期待が高まるばかりです。この夜は、ただの年末行事以上の、特別な思い出となったことでしょう。

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