第74回天皇杯・第65回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会

第74回天皇杯・第65回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会

1999年の新春、日本のバスケットボール界で最も権威あるトーナメント、全日本総合バスケットボール選手権大会が開催されました。正式名称は「第74回天皇杯・第65回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会」といい、バスケットボールの日本一チームを決定する大会として、この年は1月2日から1月10日までの日程で熱戦が繰り広げられました。

この大会の大きな特徴は、日本のバスケットボール界を構成する多様なカテゴリーのチームが一堂に会して日本一を争う点にあります。男子・女子ともに、プロフェッショナルリーグであるJBLに所属するトップチームから、大学バスケットボール界をリードする強豪校、そして全国各地の予選を勝ち抜いてきた地方ブロック代表チームまで、幅広いレベルのチームが出場しました。特に男子においては、これらに加えて高校バスケットボール界から推薦チームが招待されており、今大会では能代工業高校が出場しました。アマチュアからトップリーグまでが同じ舞台で戦うことは、この大会 unique な魅力であり、多くの注目を集める要因となっています。

大会は、一度敗れれば敗退となるノックアウト方式のトーナメントで行われました。出場チームは、1回戦、2回戦と勝ち進み、準々決勝、準決勝を経て、栄えある決勝の舞台を目指しました。強豪チームが順当に勝ち上がることもあれば、下位カテゴリーのチームが上位チームを破る「ジャイアントキリング」が起こる可能性も秘めており、毎試合が予測不可能なドラマに満ちていました。

男子の決勝戦は、バスケットボール日本リーグの強豪である、いすゞ自動車とNKKの間で争われました。両チームとも決勝にふさわしい質の高いプレーを展開しましたが、最終的にいすゞ自動車が85対70のスコアでNKKを下し、見事優勝を飾りました。この勝利により、いすゞ自動車は全日本総合選手権において2年連続の優勝を果たし、通算での優勝回数を5回としました。彼らの安定した実力と勝負強さが証明された大会となりました。

一方、女子の決勝戦は、当時の女子バスケットボール界を牽引していた二大勢力、ジャパンエナジーとシャンソン化粧品の対決となりました。女子日本一の座をかけたこの一戦は、互いに一歩も譲らない緊迫した展開となり、最後まで勝敗の行方が分からない白熱した内容となりました。最終的には、ジャパンエナジーが75対72という僅差でライバルであるシャンソン化粧品を破り、優勝トロフィーを手にしました。ジャパンエナジーは、この優勝により、大会3年連続となる栄冠を獲得し、通算優勝回数を9回としました。これは、女子バスケットボール界におけるジャパンエナジーの圧倒的な実力と、この時期における支配的な強さを示す記録と言えます。

第74回天皇杯・第65回皇后杯全日本総合バスケットボール選手権大会は、各カテゴリーの精鋭たちが集い、レベルの高いプレーとドラマを生み出した記憶に残る大会でした。男子はいすゞ自動車が連覇を果たし、女子はジャパンエナジーが三連覇を達成するなど、両カテゴリーにおける当時の最強チームがその実力を遺憾なく発揮しました。この大会で繰り広げられた熱戦は、日本のバスケットボール史に確かに刻まれています。

（本記事は「月刊バスケットボール1999年3月号」の情報を基に記述しています）

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