第77回全国高等学校野球選手権大会

大会概要

1995年8月7日から8月21日にかけ、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場にて、第77回全国高等学校野球選手権大会が開催されました。夏の甲子園としてはこの回で77回目を迎える記念大会であり、例年多くの注目を集める中、この年は特に大会運営に関わる複数の重要な変更や、社会情勢を反映した特別な対応が取られたことで記憶されています。

特徴的な出来事と制度変更

この第77回大会では、野球界におけるいくつかの新たな試みが導入されました。中でも特筆されるのは、柳川高校（福岡県代表）の高木功美子氏が、夏の甲子園大会史上初めて、女性として野球部長（責任教師）としてベンチ入りを果たしたことです。これは従来の慣習を破る画期的な出来事として注目を集めました。

また、大会の進行方式にも変更が見られました。特に、勝ち上がりによる組み合わせ抽選の方法が見直され、第1回抽選の段階で1回戦から3回戦までの対戦校がすべて決定される方式が導入されました。これまでの大会では、各回戦終了後に都度抽選が行われていましたが、この回からは準々決勝以降のみ、改めて抽選が実施される形となりました。ただし、準々決勝の抽選においては、3回戦の最終試合勝者が準々決勝の第一試合に配置されないよう配慮される点は、前年までの方式が踏襲されました。

安全面に関わる変更として、打者用ヘルメットの両耳保護付きタイプ着用が、この大会から全ての選手に義務付けられることになりました。選手の安全確保を目的とした重要な措置です。

加えて、一日の試合開催スケジュールにも微調整がありました。1日4試合が行われる際、第一試合の開始時刻が前年の午前8時から30分遅らせ、午前8時30分に変更されました。

阪神・淡路大震災の影響

この大会は、同年1月17日に発生した兵庫県南部地震（阪神・淡路大震災）の影響を大きく受けた大会でもありました。当初、大会は8月8日に開幕する予定で準備が進められていましたが、震災による交通網の麻痺や、被災地の復旧作業への影響を最小限に抑えるため、また、全国から集まる代表校の選手や関係者の移動負担を軽減する目的から、大会の開会日が急遽1日前倒しされ、8月7日開始となりました。

震災の影響は日程編成にも及びました。通常、1回戦では1日に最大4試合が組まれることが通例でしたが、この第77回大会に限り、日程調整のため1回戦は1日に最大3試合という変則的なスケジュールで行われました。2回戦以降は従来通り1日最大4試合に戻されました。選手の球場への移動手段に関しても、春の選抜大会と同様に電車が主に利用されました。

大会日程と結果

大会に先立つ組み合わせ抽選会は、8月5日に実施されました。

激戦を勝ち抜き、決勝戦が8月21日に阪神甲子園球場で行われました。決勝に進出したのは、東東京代表の帝京高校と石川代表の星稜高校です。試合は緊迫した投手戦となり、帝京高校が星稜高校を3対1で破り、見事優勝旗を手にしました。帝京高校にとっては、1989年の第71回大会以来、6年ぶり2度目の全国制覇となりました。

この第77回大会は、阪神・淡路大震災からの復興途上にありながら開催され、様々な制度変更や特別な配慮がなされた、記憶に残る大会となりました。参加となりました。

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