第81期順位戦

第81期順位戦と名人戦の概要

第81期順位戦は、2022年度の将棋競技であり、2022年6月9日から2023年3月14日までの期間に行われました。この棋戦は、名人戦の挑戦者を決めるための重要な予選に位置づけられており、A級の優勝者が名人戦への挑戦権を獲得します。また、2023年度に開催される第81期名人戦は、4月5日から6月1日の日程で行われ、挑戦者が第80期の名人と七番勝負を繰り広げる形式です。両棋戦は毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟が主催し、大和証券グループが協賛しています。

新たな対局拠点と時間計測の変更

今回の順位戦では、公式対局場として新たに名古屋将棋対局場が設立され、ここでの対局は年間約100局に及びました。これにより、東京将棋会館や関西将棋会館に次ぐ重要な支点とされています。さらに、B級1組以下のクラスでは、従来のストップウォッチ方式からチェスクロック方式へと計測方法が変更され、より正確な時間管理が可能となりました。この新しい方式は特に、秒単位での対局時間計測を実現するという革新が注目を集めています。

各級の昇級と降級の結果

今年の順位戦では、A級からC級2組まで、全てのクラスで下位クラスからの連続昇級（1期抜け）が達成されました。これにより、全対局者にとって新たなチャンスが提供され、競技の活性化に寄与しています。

名人戦七番勝負の注目ポイント

第81期名人戦では、藤井聡太竜王が挑戦者となり、渡辺明名人との対戦に挑みました。この七番勝負は、最大の注目を集め、6局の対戦のうち藤井は4勝1敗で勝利を収めました。これにより、藤井は実力制で第十六代名人となり、名人位を奪取しました。この勝利により、藤井は谷川浩司が保持していた最年少名人の記録を40年ぶりに更新し、彼自身としては史上5人目となる「竜王・名人」の二冠を達成しました。

藤井聡太の偉業

藤井竜王は名人を獲得することにより、タイトルを6冠保持していた状態から名人奪取で、羽生善治が1996年に達成した七冠と同じ境地に至りました。これは将棋界において、27年ぶりの偉業とされ、藤井の名前は歴史に刻まれることとなります。

就位式の盛況

2023年8月7日には、羽田空港第1ターミナルにて第81期名人就位式が華やかに行われました。日本将棋連盟の会長である羽生善治九段が推戴状を授与し、毎日新聞社の代表からは賞金目録が贈呈されました。また、大和証券グループからは副賞として、43インチ4K液晶テレビも贈られ、藤井名人の新たなスタートを祝う式典となりました。

まとめ

第81期順位戦と名人戦は、日本将棋界における歴史的な成果が詰まった競技でした。藤井聡太の名人位奪取、そして名古屋将棋対局場の設立など、将棋界の未来に期待が持たれる出来事が数多くありました。これからも将棋界の動向に目が離せない日々が続くことでしょう。

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