第82回ニューヨーク映画批評家協会賞

第82回ニューヨーク映画批評家協会賞は、2016年に公開された映画を対象とし、映画批評家協会によって選出される権威ある賞です。2016年12月1日に受賞結果が発表され、各部門で素晴らしい作品と才能が評価されました。

主な受賞結果

作品賞: 『ラ・ラ・ランド』（監督：デイミアン・チャゼル）
ミュージカル映画として、その音楽、映像、そして夢を追う人々の姿を描いた感動的なストーリーが評価されました。
監督賞: バリー・ジェンキンス - 『ムーンライト』
マイアミを舞台に、自身のセクシュアリティに苦悩する黒人少年の成長を繊細かつ詩的に描き出した手腕が高く評価されました。
主演男優賞: ケイシー・アフレック - 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
兄の死をきっかけに故郷に戻り、甥の面倒を見ることになった男の心の葛藤を、抑制の効いた演技で見事に表現しました。
主演女優賞: イザベル・ユペール - 『未来よ こんにちは』、『エル ELLE』
『未来よ こんにちは』では、突然夫に去られた哲学教師の女性の自立を描き、『エル ELLE』では、レイプ被害に遭った女性が犯人を追い詰めていく姿を演じ、その演技力が高く評価されました。
助演男優賞: マハーシャラ・アリ - 『ムーンライト』
主人公の少年期に、父親代わりの存在として寄り添う麻薬ディーラーを演じ、その温かく包み込むような演技が印象的でした。
助演女優賞: ミシェル・ウィリアムズ - 『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』では、シングルマザーとして生きる女性を、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』では、主人公の元妻を演じ、それぞれの役柄を見事に演じ分けました。
脚本賞: ケネス・ロナーガン - 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
喪失と再生を描いた、繊細で心に響く脚本が評価されました。
撮影賞: ジェームズ・ラクストン - 『ムーンライト』
光と影を巧みに操り、主人公の感情を豊かに表現した映像美が評価されました。
アニメ映画賞: 『ズートピア』
動物たちが擬人化された世界を舞台に、差別や偏見といった社会問題をテーマにした作品です。
外国語映画賞: 『ありがとう、トニ・エルドマン』（ドイツ、オーストリア）
頑固な父親とキャリアを積む娘の関係を描いた作品で、ユーモラスでありながらも心温まるストーリーが評価されました。
ノンフィクション映画賞: 『O.J.: Made in America』
アメリカンフットボールのスター選手だったO・J・シンプソンの事件を多角的に描いたドキュメンタリー作品です。
第一回作品賞: トレイ・エドワード・シュルツ - 『Krisha』、ケリー・フレモン・クレイグ - 『スウィート17モンスター』
『Krisha』は、感謝祭に家族が集まる中で起こる騒動を描いた作品です。『スウィート17モンスター』は、17歳の少女の成長を描いた作品です。
* 特別賞: セルマ・スクーンメイカー、ジェリー・ダッシュ - 『自由への旅立ち』の25周年記念リマスター版
1991年の映画『自由への旅立ち』の25周年を記念したリマスター版が特別賞を受賞しました。

ニューヨーク映画批評家協会賞は、その年の映画界を代表する作品を選出する重要な賞の一つとして、映画ファンや業界関係者から注目されています。

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