第82期棋聖戦 (将棋)

第82期棋聖戦

将棋界における数あるタイトル戦の中でも長い歴史と権威を持つ棋聖戦の、第82期は2011年度に開催されました。具体的には、2010年5月31日から翌年の2011年7月2日までの期間で、予選から五番勝負までの一連の対局が行われました。この期の棋聖戦は、当時の棋聖位保持者であった羽生善治に、挑戦者が挑む形で進行しました。

棋聖戦の挑戦者決定プロセス

棋聖戦は、まず多くの棋士が参加する予選から始まります。プロ棋士は、成績に基づいて一次予選、そして二次予選へと勝ち進んでいきます。これらの予選を突破した棋士と、前期の決勝トーナメントで一定の成績を収めたシード棋士らが参加するのが決勝トーナメントです。決勝トーナメントは、一局指しきりのトーナメント方式で行われ、これを勝ち上がった一名が、現棋聖への挑戦権を獲得します。

第82期の挑戦者

厳しい予選を勝ち抜き、さらに本戦である決勝トーナメントでも並みいる強豪を破って挑戦者の座を勝ち取ったのは、深浦康市九段でした。深浦九段は、その堅実な受け将棋と終盤の粘り強さで知られ、過去にもタイトル獲得経験のある実力者です。羽生善治棋聖という最高峰の相手に対し、どのような戦いを見せるのか、大きな注目が集まりました。

五番勝負の展開と結果

第82期棋聖戦のクライマックスである五番勝負は、2011年に行われました。棋聖である羽生善治と、挑戦者である深浦康市九段の間で、熱戦が期待されました。しかし、このシリーズは一方的な展開となります。羽生棋聖が、持ち前の深い読みと隙のない指し回しで、第1局、第2局、そして第3局と立て続けに勝利を収めました。結果は、羽生棋聖の3勝0敗というストレートでの決着となりました。挑戦者の深浦九段も精一杯の将棋を見せましたが、当時の羽生棋聖の充実ぶりを前に、一矢報いることは叶いませんでした。

棋聖位の防衛

この五番勝負の結果、羽生善治は棋聖位の防衛に成功しました。3連勝という圧倒的な内容での防衛は、羽生棋聖の当時の実力を改めて示すものとなりました。棋聖戦は将棋界でも歴史のあるタイトルであり、そのタイトルを防衛することは、棋士にとって大きな栄誉です。第82期棋聖戦は、羽生善治がその強さを遺憾なく発揮し、タイトルを保持したシリーズとして記録されています。

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