第84期順位戦

第84期名人戦・順位戦

本記事では、将棋界における最高位のタイトルである「名人」を争う「第84期名人戦」および、その名人挑戦者を決定するための予選棋戦である「第84期順位戦」について解説します。これらの重要な棋戦は、朝日新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟の共催により運営され、大和証券グループ本社が特別協賛しています。

第84期順位戦

第84期順位戦は、2025年度（具体的には2025年6月頃から2026年3月頃まで）にかけて行われる、名人戦の挑戦者決定戦です。全ての棋士は、過去の成績に応じてA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組という五つのクラスに分類され、各クラス内で年間を通じてリーグ戦を行います。この順位戦は、棋士の序列や次期名人戦への道筋を定める、将棋界にとって非常に重要なシステムです。

順位戦の最大の特徴は、その厳しい昇級・降級制度にあります。

A級: 在籍棋士は10名です。年間リーグ戦の成績最上位者が、第84期名人戦の挑戦権を獲得します。一方、成績が振るわなかった下位2名（通常9位および10位）は、翌年度B級1組への降級となります。
持ち時間：各6時間
計時方式：ストップウォッチ
B級1組: 在籍棋士は13名です。リーグ戦の成績上位2名が、翌年度A級へ昇級します。成績下位の3名（通常11位から13位）は、翌年度B級2組へ降級となります。
持ち時間：各6時間
計時方式：チェスクロック（秒単位積算）
B級2組: 在籍棋士は26名です。リーグ戦の成績上位3名、あるいはリーグを全勝で終えた棋士全員が、翌年度C級1組へ昇級します。成績下位の6名（通常21位から26位）は降級点の対象となり、降級点が2回累積すると翌年度C級1組へ降級となります。
持ち時間：各6時間
計時方式：チェスクロック（秒単位積算）
C級1組: 在籍棋士は31名です。リーグ戦の成績上位3名、あるいはリーグを全勝で終えた棋士全員が、翌年度B級2組へ昇級します。成績下位の6名（通常26位から31位）は降級点の対象となり、降級点が2回累積すると翌年度C級2組へ降級となります。
持ち時間：各6時間
計時方式：チェスクロック（秒単位積算）
C級2組: 在籍棋士は56名です。リーグ戦の成績上位3名、あるいはリーグを全勝で終えた棋士全員が、翌年度C級1組へ昇級します。成績下位の12名（通常45位から56位）は降級点の対象となり、降級点が3回累積すると翌年度フリークラスへ降級となります。
持ち時間：各6時間
* 計時方式：チェスクロック（秒単位積算）

第84期順位戦の対戦組合せ抽選は2025年4月24日に実施され、組合せは同年5月11日に公表される予定です。

第84期名人戦七番勝負

第84期名人戦は、2026年（具体的には2026年4月頃から2026年6月頃まで）に開催されるタイトル戦です。この七番勝負では、第83期名人である藤井聡太名人と、先に述べた第84期順位戦A級リーグで優勝し挑戦権を獲得した棋士が対戦します。

勝負は最大七局行われ、先に四勝を挙げた対局者が栄えある第84期名人のタイトルを獲得します。この名人戦七番勝負は、日本将棋界における年間最大のイベントの一つとして、常に高い注目を集めます。

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