第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会

第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会概要

第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会は、2005年9月17日から2006年1月1日までの期間に開催されました。この大会では、浦和レッドダイヤモンズが、前身である三菱重工業サッカー部時代以来25年ぶりに優勝を達成し、その名を再び高めました。

大会の新たな動き

この大会から、日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）が主催者に加わりました。また、2006年のFIFAワールドカップドイツ大会の開催を記念して、今大会の優勝者には東京ドイツ文化センターからドイツ杯が授与されることになりました。これにより、大会は国際的な注目を集め、さらなる盛り上がりを見せることとなりました。

レギュレーションの変更

レギュレーションも大きく変更されました。特に延長戦の方式が見直され、FIFAが採用していたゴールデンゴール及びシルバーゴール方式が廃止され、得点が入っても必ず15分ハーフの延長戦が実施されることになりました。この変更は、より明確な試合結果を生むための重要な一歩と考えられています。

出場チームの構成

大会への自動出場権を持つJ2チームが増えたことも影響し、JFLからも参加チームが減少しました。JFLシードチームは2つ、大学からのシードチームは総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの優勝校から1チームのみとなり、前回大会からそれぞれ1チーム減少しました。

また、47都道府県代表と大学シードチームが参加する1回戦と2回戦では、48チームが14のグループに分かれ、同じ会場で試合が行われました。このようにして、全体の盛り上がりを図る工夫がなされました。

痛快な戦いの数々

3回戦では、JFL所属の佐川急便東京SCがJ2のコンサドーレ札幌を下す大金星をあげました。この試合は、同チームにとって実に4年ぶりのJクラブ撃破となりました。佐川急便東京SCは2007年に佐川急便SCに改編され、この大会が最後の天皇杯本大会となりました。

さらに、4回戦に進出したJFLのHonda FCは、J1のセレッソ大阪と対戦し、PK戦に持ち込む健闘を見せました。その他、J2の横浜FCも強豪のガンバ大阪に対して90分間リードを保つなど、驚くべき試合が繰り広げられました。しかし、最終的には全てのベスト8進出がJ1のチームによって占められました。

ダービーマッチの熱戦

大会では、複数の注目すべきダービーマッチが行われ、その中には「仙台ダービー」や「静岡ダービー」が含まれます。特に、仙台ダービーでは、J2のベガルタ仙台と東北地区大学サッカーリーグの仙台大学がPK戦に突入する接戦を繰り広げ、サッカーファンの心を引きつけました。

決勝のハイライト

そして、決勝戦では、清水エスパルスと浦和レッドダイヤモンズが対戦しました。この試合は、浦和にとって2001年以来の天皇杯制覇を狙う重要な戦いでした。国立競技場に詰めかけたファンの熱気の中、浦和が前半から攻撃的な姿勢を見せます。

試合は前半39分、浦和がロブソン・ポンテの右CKから堀之内聖のゴールで先制し、そのまま1-0のリードで前半を終了しました。後半には清水が反撃を試みますが、浦和の堅い守りを攻略できず、逆に浦和がポンテからトミスラフ・マリッチのゴールで追加点を決めます。

清水は後半31分に市川大祐が得点し追い上げを図りますが、最後はプレッシャーに屈し退場者を出すなど、浦和に5度目の天皇杯優勝をもたらしたのです。この優勝によって浦和は2007年のACL出場権を手に入れました。

結論

以上のように、第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会は、多くの感動的な瞬間や痛快な試合を生み出し、サッカー界における歴史的な出来事として記憶されることでしょう。

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