第87回アカデミー賞

第87回アカデミー賞の授賞式

第87回アカデミー賞は、映画芸術科学アカデミー（AMPAS）によって主催され、2014年に公開された映画を対象にした授賞式です。このイベントは2015年2月22日にカリフォルニア州ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されました。授賞式は午後5時30分（PST）のスタートとなり、アメリカではABCが放送を担当しました。プロデュースはニール・メロンとクレイグ・ザダンが行い、司会にはニール・パトリック・ハリスが起用されました。彼にとって、司会としての初めての体験でした。

関連イベントと特別賞

授賞式に先立って、2014年11月8日にはハリウッド＆ハイランドセンターで第6回ガヴァナーズ賞の授賞式も行われました。この際、アカデミー名誉賞がジャン＝クロード・カリエールや宮崎駿、モーリン・オハラに授与され、ジーン・ハーショルト友愛賞はハリー・ベラフォンテが受け取りました。また、2015年2月7日にはビバリーヒルズのビバリー・ウィルシャー・ホテルで、アカデミー技術貢献賞の授賞式が実施され、マーゴット・ロビーやマイルズ・テラーが司会を務めました。

最多受賞作品

今回のアカデミー賞では、『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』と『グランド・ブダペスト・ホテル』がそれぞれ4部門の受賞を果たしました。特に『バードマン』は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが作品賞、監督賞、脚本賞を受賞し、一方『グランド・ブダペスト・ホテル』はアレクサンドル・デスプラが作曲賞を受けました。その他にも、『セッション』が助演男優賞を含む3部門で受賞し、『博士と彼女のセオリー』や『アリスのままで』、さらには『6才のボクが、大人になるまで。』など、複数の作品がそれぞれ1部門での受賞を果たしました。視聴者数は北米で3060万人に達しましたが、これは歴代で3番目に低い数字です。

ノミネート発表

ノミネートは2015年1月15日のPST午前5時38分にカリフォルニア州ビバリーヒルズで発表されました。ノミネート発表にはアルフォンソ・キュアロンとJ・J・エイブラムスが11部門を、クリス・パインとAMPAS会長のシェリル・ブーン・アイザックスが13部門を発表しました。注目すべきは、今回から全24部門のノミネートが生中継された点です。最多ノミネート作品は『バードマン』と『グランド・ブダペスト・ホテル』の9部門でした。

受賞者は授賞式当日に発表され、全ての候補作品が一部門以上で受賞したのは第82回以来のことです。また、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥはメキシコ人として2年連続で監督賞を受賞しました。さらに、エマニュエル・ルベツキは『バードマン』で撮影賞を受賞し、前年の『ゼロ・グラビティ』に続く受賞となりました。

批判と多様性の問題

第87回アカデミー賞では、主要部門のノミネート者が白人のみで占められているという批判があり、『グローリー/明日への行進』が監督賞や演技賞の候補から外れたことに対しても疑問が呈されました。ノミネートの発表を行ったシェリル・ブーン・アイザックスは、部門ごとに文化的多様性が求められるとの声を述べました。過去20年間には、第70回と第83回で同様の事態が見られ、賞を巡る多様性についての議論が継続しています。

余談

授賞式中にはいくつかの興味深い出来事もあり、シェリル・ブーン・アイザックスが撮影賞のノミネート発表時に「ディック・ポープ」を「ディック・プープ」と口にしてしまい、これがTwitterでトレンド入りする騒ぎとなりました。ニール・パトリック・ハリスは、授賞式中に下着姿で登場し話題を集めました。この服装は、『バードマン』にインスパイアされたものだと語っています。

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