第88回全国高等学校野球選手権大会決勝

第88回全国高等学校野球選手権大会決勝：駒大苫小牧 vs 早稲田実業

2006年（平成18年）8月20日、そして翌21日、阪神甲子園球場は熱気に包まれました。第88回全国高等学校野球選手権大会決勝は、南北海道代表の駒大苫小牧高校と西東京代表の早稲田実業学校の対戦。この試合は、高校野球史に残る激闘として語り継がれています。

背景

駒大苫小牧は、田中将大投手を擁し、史上2校目となる夏の甲子園3連覇を目指していました。一方、早稲田実業は、斎藤佑樹投手を軸に、1980年以来26年ぶりの決勝進出を果たし、悲願の初優勝を狙っていました。両校の対戦は、まさに「最強」と「悲願」の激突であり、全国の高校野球ファンが注目する一戦となりました。

試合経過：8月20日

8月20日、午後1時、試合開始。駒大苫小牧の先発は菊地投手、早稲田実業の先発は斎藤投手。初回から両投手の好投で投手戦の様相を呈し、両チームともなかなか得点を奪えません。試合は膠着状態のまま延長戦に突入し、延長15回まで戦い抜きましたが、決着がつかず、翌日の再試合が決定しました。

詳細な経過

1回表： 駒大苫小牧は先頭打者のヒットでチャンスを作るも無得点。
1回裏： 早稲田実業も四球でチャンスを作るも得点には至らず。
2回～7回： 両チームともランナーを出すものの、決定打が出ず、スコアボードには0が並びます。
8回表： 均衡を破ったのは駒大苫小牧。三木選手がホームランを放ち、1-0と先制します。
8回裏： 早稲田実業は、檜垣選手のツーベースヒットと、後藤選手の犠牲フライで、すぐさま1-1の同点に追いつきます。
9回～15回： 延長戦に入っても両チーム一歩も譲らず、両エースの投げ合いが続きます。11回には駒大苫小牧がスクイズを試みるも失敗、13回には早稲田実業が満塁のチャンスを迎えるも得点できません。斎藤投手は15回になっても147km/hの球速を記録し、スタミナを見せつけました。しかし、試合は決着せず、引き分け再試合となりました。

試合経過：8月21日（再試合）

8月21日、午後1時、再試合開始。両チームの先発は前日と同じく、駒大苫小牧が菊地投手、早稲田実業が斎藤投手。試合は、早稲田実業が初回から積極的に攻め、先制点を奪います。駒大苫小牧も終盤に追い上げを見せますが、早稲田実業が逃げ切り、悲願の初優勝を成し遂げました。

詳細な経過

1回裏： 早稲田実業は、川西選手の盗塁死をきっかけに、船橋選手のタイムリーヒットで1点を先制します。
2回裏： 早稲田実業は、川西選手のタイムリーツーベースで2点目を追加します。
6回裏： 早稲田実業は、白川選手のツーベースヒットで3点目を奪います。
7回裏： 早稲田実業は、後藤選手のタイムリーヒットで4点目を挙げ、突き放します。
9回表： 駒大苫小牧は、中澤選手の2ランホームランで1点差に詰め寄りますが、最後は斎藤投手が田中選手を三振に打ち取り、試合終了。早稲田実業が勝利しました。

その他

この試合は、多くの人々に感動を与え、その後も様々な形で語り継がれています。

田中将大投手がメジャーリーグに移籍した際、ニューヨークタイムズがこの試合について触れ、斎藤佑樹投手との一騎打ちを「日本の美」と評しました。
* 北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手は、小学生時代にこの試合を甲子園で観戦したことがきっかけで野球を始めました。

決勝戦のタイブレーク制度

高校野球では、2018年からタイブレーク制度が導入されましたが、当初は決勝戦では適用されませんでした。しかし、2021年からは決勝戦でもタイブレークが適用されるようになり、再試合の可能性は少なくなっています。


この試合は、高校野球の歴史に残る名勝負として、これからも語り継がれるでしょう。両チームの選手たちの熱いプレーは、多くの人々に勇気と感動を与えました。

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