第89期棋聖戦
第89期棋聖戦は、
将棋界における重要なタイトル戦の一つである棋聖戦の2018年度開催大会です。スポンサー名を冠して「第89期
ヒューリック杯棋聖戦」として行われました。本棋戦は、2017年6月5日に開幕し、決勝五番勝負最終局が行われた2018年7月17日まで、一年以上にわたる熱戦が繰り広げられました。
この第89期棋聖戦の最大の焦点は、現役棋聖である
羽生善治と、勢いに乗る挑戦者・豊島将之八段による五番勝負でした。結果的に、挑戦者の豊島八段がシリーズを3勝2敗で制し、羽生棋聖からタイトルを奪取しました。
大会の仕組み
棋聖戦は、多くの参加棋士による予選を勝ち抜いた者が、最終的にタイトル保持者への挑戦権を得る形式で行われます。第89期大会も、一次予選、二次予選、そして決勝トーナメントという段階を経て挑戦者を決定しました。
一次予選: 多くのプロ棋士が参加し、複数の組に分かれて行われました。ここを勝ち抜いた棋士が次のステージに進出します。
二次予選: 一次予選を突破した棋士と、シード棋士の一部が加わって行われる予選です。ここでも厳しいトーナメントが展開され、決勝トーナメント進出者が決定されます。
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決勝トーナメント: 二次予選を勝ち上がった棋士と、前期の成績優秀者などのシード棋士によって争われます。このトーナメントを勝ち抜いた棋士が、五番勝負で棋聖位保持者に挑む挑戦者となります。
五番勝負
第89期棋聖戦の五番勝負は、タイトル保持者である
羽生善治棋聖と、挑戦者決定トーナメントを勝ち抜いた豊島将之八段の間で争われました。
将棋界のレジェンドともいえる羽生棋聖に対し、当時まだ主要タイトルの獲得経験がなかった豊島八段が挑む構図となり、大きな注目を集めました。
シリーズは互いに譲らぬ接戦となり、フルセットまでもつれ込みました。第1局から最終の第5局まで、両対局者の持ち味がぶつかり合う質の高い対局が続きました。結果は、先に3勝を挙げた豊島八段が、シリーズ成績3勝2敗で勝利を収めました。これにより、豊島八段は自身にとって初の棋聖位を獲得するという快挙を達成しました。
一方、
羽生善治棋聖にとっては、棋聖位を防衛することができませんでした。この結果は、当時の
将棋界の勢力図にも少なからず影響を与えるものとなりました。
第89期棋聖戦は、予選から本戦、そして五番勝負に至るまで、多くのドラマを生み出し、
将棋ファンに感動と興奮を与えた大会として記憶されています。特に、豊島将之八段が初のタイトルを獲得したシリーズとして、その歴史に名を刻みました。
この大会を通じて、改めて棋聖戦が持つ権威と、そこで繰り広げられる対局の質の高さが示されました。