第9回参議院議員通常選挙

1971年 6月27日に実施された第9回参議院議員通常選挙は、日本の国会における重要な選挙でした。この選挙は、佐藤栄作首相率いる自由民主党（自民党）が主導し、政治的な緊張が高まる中で行われました。自民党は前年の総裁選で四選を果たし、安定した基盤を持っていたものの、選挙結果には予想外の展開が待っていました。

選挙の背景と状況

佐藤政権は、沖縄返還交渉や大阪万博の成功など、プラスの要素が多い状況にありました。加えて、1970年安保闘争や大学の紛争を乗り越えたため、選挙戦における不安要素は少なかったとされています。しかし、朝日新聞の直前の世論調査では、自民党の議席が増加する見通しが示されていただけに、実際の結果は驚きをもたらしました。

投票結果では、自民党は63議席を獲得しましたが、これは1956年以来の最低数であり、得票率も結党以来の低水準となりました。この結果は、佐藤政権への「飽き」を反映しており、保革が伯仲する状況を暗示していました。選挙結果を受けて、自民党内では不満が広まり、執行部への批判が高まりました。重宗雄三参院議長の退任につながり、新たに河野謙三がその座に就任することとなりました。

選挙データ

この選挙では、全国で126議席の改選が行われ、内訳は以下の通りです。

- 地方区（76議席）
- 全国区（50議席）

地元の小選挙区制度により、26選挙区で改選が行われました。

有権者数は71,177,667人で、うち男性は34,412,000人、女性は36,765,667人という構成でした。投票率は、地方区で59.24%、全国区で59.23%と、約6割の有権者が投票に参加しました。

立候補者数は305名で、地方区が199名、全国区が106名の候補者が出馬しました。

主要な争点と選挙結果

主要な争点は、安保問題や経済政策、社会運動など多岐にわたっていました。選挙結果は、自由民主党が議席を維持したものの、その数は減少し、社会党や公明党など他の政党が一定の影響力を持つ結果となりました。

特に、自由民主党は、今回の選挙で48名が初当選し、また数名の返り咲きも見受けられました。
一方で、落選した候補者の数も少なくなく、これは政治の厳しさを象徴しています。今回の選挙は、新たな政局を迎える転換点となり、翌年の総裁選にも影響を与えることになりました。

結論

第9回参議院議員通常選挙は、自民党の戦略や社会的な潮流、そして有権者の意思がどのように交錯するのかを示す重要な事例となりました。この選挙の結果が日本の政治の流れに及ぼした影響は、今後の展開を考える上でも欠かせない要素となるでしょう。

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