第94回全国高等学校野球選手権大会

第94回全国高等学校野球選手権大会

2012年8月8日から8月23日までの15日間、兵庫県の阪神甲子園球場で実施された第94回全国高等学校野球選手権大会。この大会のキャッチフレーズは「駆け上がれ!夏のテッペン」で、高校生たちの熱い戦いが繰り広げられました。

大会の流れ

大会に向けての準備は早く、4月20日に日本高等学校野球連盟が第1回運営委員会を開催し、開催が決定。続く6月16日には沖縄大会が始まり、7月15日には浦添商（土曜学院）による初出場が決定しました。最終的には7月30日に福井工大福井が最後の出場校として選ばれ、全49校が決定しました。

8月5日には抽選が実施され、8月8日の開会式に向けて着々と気運が高まっていきました。大会中、いくつかの印象深い出来事や記録が生まれました。

大会のハイライト

大会の中でも特に注目されたのは、8月9日の桐光学園対今治西の試合。桐光学園の2年生投手、松井裕樹が9回までに22奪三振という驚異的な記録を樹立し、甲子園での大会最多奪三振を更新しました。この偉業は87年ぶりのものであり、球場全体が熱気に包まれました。

また、8月13日には済々黌対鳴門戦で、野球漫画『ドカベン』に登場したルールブックの盲点が実際の試合で再現されるという珍事も発生。これにより、前年の優勝＃試合を含む大会の運営方法に関する議論が再燃しました。

8月18日には悪天候により試合が中断される場面もありましたが、翌日の試合はナイターで行われることとなりました。これが初めての試みで、多くの観客が新しい形の高校野球を楽しむことができました。

8月22日、準決勝では大阪桐蔭が明徳義塾に勝利し、前年の春の大会と同じ組み合わせの決勝進出が決定しました。このことは大会史上初の出来事となり、両チームへの期待が高まりました。

決勝戦の結果

大会の最終日、8月23日に行われた決勝戦では、大阪桐蔭が光星学院を3-0で下して勝利しました。この試合で、藤浪晋太郎が最多タイの14奪三振を記録し、最速153km/hの投球を見せるなど圧巻のパフォーマンスを披露。これにより、2010年の興南以来、史上7校目となる春夏連覇を達成しました。光星学院はこの結果、初となる3季連続の準優勝を喫することとなりました。

大会の影響

また、2011年の東日本大震災を受けて、試合開始時間が繰り上げられる方針が取られました。これにより、選手たちの体力面を考慮したスケジュールが組まれ、午前8時からの開始が原則となりました。大会関係者は、この年の大会が選手や観客にとって特別な意味を持つものであったと語っています。

高野連会長の発言

大会の閉会式では、高野連会長が花巻東大谷選手を見られなかったことに言及した発言が物議を醸しました。これに対して盛岡大付の優勝を侮辱する内容ではないかとの批判が寄せられるなど、様々な反響があった大会でした。

全体として、第94回全国高等学校野球選手権大会は、記録更新やドラマティックな出来事が多く、また多くの選手たちにとって忘れられない思い出となったことでしょう。

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