第94回選抜高等学校野球大会

第94回選抜高等学校野球大会概要

第94回選抜高等学校野球大会は、2022年3月19日から3月31日まで阪神甲子園球場で開催されました。今大会では新たに継続試合の制度が導入され、試合が雨などで中断した場合は、翌日以降にそこでの試合が再開されるようになりました。この制度により、ノーゲームやコールドゲームといった形での試合終了がなくなり、試合がより公平に行われることを目指しました。

入場者数に関しては、兵庫県内でのまん延防止等重点措置が適用されている間は、1日の入場者数が2万人に制限され、全席指定席となりました。また、アルプス席は出場校の関係者のみでの利用とされていました。措置が解除されると、入場者数制限は撤廃され、ブラスバンドによる応援も50人以内での実施が認められました。さらに、選手は打撃用ヘルメットにフェイスガードをつけることができ、150年を記念した特別なロゴマークも表示されました。

日程と主な出来事

大会に向けての日程は、2021年9月15日に運営委員会がオンラインで開催され、開催日程が決定しました。2021年11月25日には、大阪桐蔭がその年の明治神宮野球大会高校の部で初優勝したことが発表され、これにより近畿地区の出場枠が増加することとなりました。

2022年には、1月14日に組み合わせ抽選が当初の予定よりも早く行われ、入場行進曲が『群青』に決定しました。そして、3月4日に実施された組み合わせ抽選では、過去の大会同様にフリー抽選が行われたため、同一の都道府県の学校が対戦することを避ける工夫がなされました。さらに開会式での選手宣誓は、出場する6校の主将によって行われました。

大会直前には、京都国際高校の野球部内で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、出場辞退が申し入れられました。これにより、近畿地区の補欠校である近江高校が繰り上がりで出場することになり、初戦で長崎日大と対戦しました。大会前のPCR検査では他3校で6名が陽性反応を示しましたが、個別感染のため、満場一致で参加が許可されました。この年の開会式は雨天のため順延され、雨による影響が大きかった大会となりました。

3月22日には、最初の試合が大幅に遅れて開催されるなど、天候による影響が相次ぎました。3月25日には広島商が新型コロナウイルスの感染者を出し、大会から辞退する事態が発生しました。これは大会開幕後の初の辞退ケースとなり、大阪桐蔭はその結果として不戦勝で準々決勝に進むこととなりました。

最終的に、大会は3月31日に決勝戦が行われ、大阪桐蔭が近江を18-1で下して4回目の優勝を果たしました。大阪桐蔭は出場校の辞退により実質4試合での優勝であり、この記録は1979年以来の快挙でした。また、近江は滋賀県勢として初めての決勝進出を果たし、準優勝となる歴史的な結果を残しました。

大会成果と記録

今大会での注目選手として、聖光学院の山浅龍之介や、二松学舎大付の辻大雅、星稜の武内涼太などが挙げられます。それぞれの選手が注目を浴び、多くのファンの期待に応えました。強豪校による争いはもちろんのこと、新型コロナウイルスに対する安全対策のもとでの試合運営が試される大会となり、今後への示唆を与える結果となりました。

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