筒井大助

筒井大助氏は、1958年1月22日生まれの日本の元野球選手、指導者、そして学者です。2009年以降は筒井崇護氏と改名し、現在は日本体育大学でスポーツ文化学部スポーツ国際学科の教授を務めています。

兵庫県の尼崎西高等学校を卒業後、関西学院大学に進学。大学時代は近畿大学リーグでプレーし、在学中に3度のリーグ優勝を経験しました。しかし、上位リーグへの昇格をかけた入れ替え戦では涙を呑んでいます。打者としては才能を示し、特に1979年春季リーグでは8本塁打を記録するなど、その打撃力は注目を集めました。

大学卒業後、社会人野球の強豪である住友金属に入社。2年目の1981年には早くもレギュラーの座を獲得し、同年の日本選手権では四番・一塁手というクリーンアップを任されるほどの信頼を得ました。1982年の都市対抗野球大会では、後にプロでも活躍する石井毅投手、嶋田宗彦捕手のバッテリーを擁し、チームは決勝まで勝ち進みました。決勝では日本鋼管福山を下し、住友金属野球部初の都市対抗優勝を達成しました。

翌1983年の社会人野球日本選手権でも、筒井氏は勝負強い打撃でチームを牽引。準決勝で本塁打を放つなど活躍し、決勝ではエース高橋修二投手の力投と打線の援護により東芝を破り、チームは日本選手権でも初優勝を飾りました。この大会での貢献が認められ、優秀選手に選出されています。また、この年は自身にとっても初の社会人ベストナイン（外野手部門）に輝きました。

1984年の社会人野球日本選手権では、決勝で日本通運と対戦。筒井氏はここでも本塁打を放つなど活躍し、チームの史上初の大会連覇に大きく貢献しました。この活躍により、2年連続で優秀選手に選ばれるなど、社会人野球界を代表する強打者としてその名を確立しました。

国際舞台でも日本の代表として活躍しました。1985年にはアジア選手権やインターコンチネンタルカップに出場。1988年にはワールドカップにも参加しています。そして同年、韓国で開催されたソウルオリンピックの野球日本代表に「左の大砲」として選ばれました。全試合で三番・右翼手としてスタメン出場し、チームを牽引。大会を通じて合計5本のヒットを記録しました。また、代表チームでは最年長選手として主将を任され、精神的な柱としてもチームをまとめ上げ、銀メダル獲得に貢献しました。この年、社会人ベストナインにも二度目の選出を果たしています。

1989年の社会人野球日本選手権では、自身にとって三度目となる優勝を経験。1990年には日本生命の補強選手として都市対抗野球大会に出場し、これにより10年連続出場という栄誉ある表彰を受けました。1991年に長年の選手生活に終止符を打ち、現役を引退しました。

引退後、筒井氏は指導者としての道を模索すると同時に、学問への関心も深めます。1992年からは日本オリンピック委員会（JOC）の在外研修制度を利用し、アメリカのジョージアサザン大学へ留学しました。ここではスポーツ心理学を学ぶ傍ら、大学野球部の練習を見学したり、メジャーリーグの春季キャンプを視察するなど、アメリカの野球文化や指導法に触れました。この留学経験を通じて、選手が自立した個人として尊重されることの重要性を感じ、それが国際舞台での選手の強さにつながるとの考えを深めたといいます。

帰国後、野球日本代表のコーチなどを務めた経験を経て、1995年には古巣である住友金属野球部の監督に就任しました。徹底した反復練習をチームに課し、その指導はすぐに結果となって現れます。翌1996年には日本選手権でチームを優勝に導き、さらに翌1997年も準優勝という輝かしい成績を残しました。しかし、1999年に親会社である住友金属工業の事業再編に伴い野球部が廃部となり、筒井氏は監督を退任せざるを得なくなりました。

その後、高校野球の解説者などを務めた後、2003年に日本体育大学から招かれ、翌年2月1日に同大学野球部の監督に就任しました。これは、他大学出身者としては初めての日体大野球部監督という異例の人事でした。筒井氏の指導のもと、チームは着実に力をつけ、2004年秋季の首都大学野球リーグで12季ぶりとなる優勝を達成。同年の明治神宮野球大会でもベスト4に進出するなど、低迷していたチームを短期間で立て直しました。2008年をもって監督を退任し、現在は日本体育大学でスポーツ文化学部の教授として教鞭をとる傍ら、ソフトボール部の部長も務めるなど、幅広い分野でスポーツの発展に貢献し続けています。

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