箕浦猪之吉

箕浦猪之吉（みのうら いのきち）

箕浦猪之吉は、1844年に高知城下の潮江村で生まれた幕末の土佐藩士であり、儒学者です。本名は元章（もとあき）で、号は「仏山」と称されていました。

幕末の英雄としての足跡

彼は優れた学識を持ち、若くして政治家の山内容堂の侍従として仕えたほか、藩校の致道館で助教を務めるなど、その才能を発揮しました。特に儒学においてその名を知られ、土佐藩内で重要な役割を果たしていました。

1868年1月、鳥羽伏見の戦いが起こり、土佐藩は朝廷から和泉堺の警備を命じられました。箕浦はその指揮を執り、六番隊の警備隊長として藩兵を率いて堺に向かいました。穏やかな瞬間もあったものの、彼の運命は急激に変わります。

堺事件と勇敢な最期

同年2月15日、フランス海軍が堺港に到着し、周囲の測量を開始しました。フランス水兵が市内で遊び回り、住民たちからの苦情が寄せられる事態となりました。箕浦は八番隊と共に対応しましたが、言葉の壁が彼らの行動を制約しました。その結果、フランス海兵の一人が土佐藩の隊旗を奪い逃走するに至り、状況は緊迫の度を増しました。

箕浦は発砲を決定し、銃撃戦が勃発。結果として、フランス海兵11名が殺傷されるという事件が発生しました。これを「堺事件」と呼び、幕末の混乱を象徴する出来事として記録されています。

しかし、事件の責任を問われた箕浦は、1868年2月23日に和泉堺の妙国寺で切腹を命じられました。この時、彼の勇敢な行動が一層際立ちます。箕浦は自らの腸を掴み取り、周囲のフランス水兵に向かって大声で叫ぶ姿は、彼の強い精神力と愛国心を示すものでした。

切腹の介錯は、同じく土佐藩士である馬淵桃太郎が行いました。彼の墓は初めは妙国寺に置かれる予定でしたが、勅願寺に切腹した者を埋葬することが不都合とされたため、堺市内の宝珠院に改めて置かれることになりました。彼の生誕地には、高知市梅ノ辻に碑が建立されています。

結語

箕浦猪之吉は、幕末の tumultuous な時代において、儒学者としての誇りを持ちながらも、国を守るために命を賭けた真の英雄でした。彼の行動や精神は、今なお多くの人々に感銘を与え続けています。

もう一度検索