築地本願寺和田堀廟所

築地本願寺和田堀廟所について

築地本願寺和田堀廟所は、東京都杉並区にある浄土真宗本願寺派の寺院で、築地本願寺の分院として知られています。この廟所は、関東大震災後の復興計画の中で、築地本願寺の墓地が移転された際に設けられました。

歴史的背景

1923年（大正12年）の関東大震災によって、築地本願寺は甚大な被害を受けました。本堂は現地での再建が決まった一方で、境内内にあった小寺院は各地に分散し、墓地は別の場所に移されることになりました。この時、陸軍省火薬庫跡地の払い下げ計画が持ち上がり、築地本願寺が出願。1930年（昭和5年）に払い下げが決定しました。なお、この払い下げ地の一部は明治大学にも譲渡され、現在の和泉キャンパスとなっています。

1934年（昭和9年）には、廟所が正式に開所しました。この地が、開所2年前まで東京府豊多摩郡和田堀町であったことから、「和田堀廟所」と名付けられました。これにより、築地本願寺の歴史と新たな墓地が結びつくこととなりました。

特徴

和田堀廟所には、著名人の墓が多く存在します。官僚・政治家の伊東巳代治、内閣総理大臣でノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作、作家の樋口一葉、歌人で教育者の九条武子など、日本の歴史に名を刻んだ人物たちがここに眠っています。また、築地本願寺の前身である「浜町御坊」時代に、再建に尽力した江戸佃島（現在の東京都中央区佃）の住民たちの墓も安置されており、歴史的なつながりを感じさせます。

建築面では、日本建築史のパイオニアであり、築地本願寺本堂の設計を手がけた建築家・伊東忠太による極楽橋が設置されています。この極楽橋は当初、廟所前の玉川上水に架けられていました。これらの建築物は、廟所の景観に独特の趣を添えています。

アクセス

所在地：東京都杉並区和田1-11-27

交通手段：京王線・井の頭線「明大前駅」より徒歩8分。

参考情報

参考文献
大谷光男、嗣永芳照 著『杉並区史跡散歩 (東京史跡ガイド15)』学生社、1992年

関連情報
築地本願寺
* 築地本願寺和田堀廟所トップページ


築地本願寺和田堀廟所は、その歴史的背景や著名人の墓、美しい建築物を通じて、訪れる人々に深い印象を与える場所です。

もう一度検索