篠原資明

篠原資明（しのはら もとあき）

篠原資明は、1950年に生まれた日本の哲学者、詩人、美術評論家であり、文化的多様性に富んだ活動を行っています。彼は日本文芸家協会や国際美術評論家連盟の会員であり、2014年から2015年には日本美術評論家連盟の常任委員を務めました。また、彼は京都大学の名誉教授として、多くの学生や学者に影響を与えています。さらに、京都市立芸術大学の客員教授や国立美術館運営委員会の会長も歴任し、その幅広い専門知識を活かして文化界に寄与しています。

経歴

篠原は香川県に生まれ、1975年に京都大学文学部哲学科を卒業しました。その後、1980年に同大学院の美学美術史学専攻博士課程を修了し、文学部の助手として教育現場に身を置くようになりました。職業キャリアの中で、大阪芸術大学の助教授および東京芸術大学の専任講師を経て、京都大学総合人間学部で助教授として活動。その後、教授に昇進し、多くの学術的な貢献を果たしました。また、2005年から2015年にかけて国立美術館で外部評価委員を勤め、2014年から2016年にかけて高松市美術館のアート・ディレクターとしても活躍しました。2016年に定年退職した後は名誉教授となり、その後も高松市美術館の館長としての役割を果たしました。

研究内容・業績

篠原は、哲学者として新たな思想「間哲学」を提唱し、ウンベルト・エーコの研究を通じて、その影響を広めています。彼は詩人としても独自のスタイルを持ち、「方法詩」を実践し、その重要性を広めています。特に、彼は「超絶短詩」という形式を提案し、言葉の新しい可能性を探求しています。また、美術評論家としても業績を残しており、森村泰昌や村上隆の評価に先駆けて取り組んできました。彼は「まぶさび」の理念に基づいて、知恵、行動、遊びを統括する「まぶさび庵」を主宰しています。

篠原はメディアにも登場しており、NHK教育テレビの「NHK歌壇」や日本テレビの「世界一受けたい授業」に出演しました。さらに、資生堂のプロジェクト「美は時を超える」では和歌を詠み、その精神を体現する手箱が下鴨神社に奉納され、「時ららの手箱」と名付けられました。

方法詩について

方法詩は、新たな型を提案し、その型に従って詩を創作するスタイルです。彼が提唱した超絶短詩もこの方法詩の一部であり、一つの語句を分解し、独自の形で再構成します。これは、従来の詩作りに新しいアプローチをもたらしました。

両者は、篠原の詩集と著作において様々な形で表現されています。彼の代表的な詩集には『さい遊記』、『わるびれ』、『愛のかたち』などがあり、近年では『秘剣まぶさび』が2023年に刊行されています。彼の書籍も多岐にわたり、哲学や美学の研究を深めるための充実した著作群を形成しています。著書の一つ『漂流思考 ベルクソン哲学と現代芸術』や、トランスアート、空海と日本思想に関する著作も彼の幅広い研究テーマを示しています。

篠原資明は、その学問的研究、美術評論、創作活動を通じて、日本の文化界に大きな影響を与えている著名なフィルソファーであり、多彩な才能を有しています。

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