簡易保険システム

簡易保険システム概要

簡易保険システムは、日本郵政公社が持つ簡易保険業務を効率化するためのコンピュータシステムです。このシステムは、現在かんぽ生命保険が運営しており、長い歴史を持っていることが特徴です。最初はNECや東芝の専用コンピュータを使用していましたが、現在はIBM製の汎用機に移行しています。

経緯

簡易保険システムの起源は昭和30年代にさかのぼります。この時期、レミントンランド社のUNIVAC60が導入され、保険業務の自動化が始まることとなりました。昭和42年に入ると、NECと東芝のEDPS（Electronic Data Processing System）による本格的なシステム化が進み、それ以降各簡易保険局でのEDPS導入が進展しました。その後、昭和52年には業務がオンライン化され、NECおよび東芝の汎用機を基盤としたPOM（郵政省簡易保険オンライン統合機械化システム）が開発されました。

特徴

この時期のNEC/東芝連合による簡易保険システムは、業界内での最大の独占パークとなり、NECのACOSシリーズの最新機が次々と導入されるようになりました。しかし、官庁とコンピュータベンダーの関係性には疑念が持たれ、1986年以降はNTTデータがSIerとして参入しましたが、実際の業務への関与は薄いという問題が指摘されました。

2011年には、かんぽシステムソリューションズ株式会社が設立され、プライムコントラクタとして新たな体制が整いました。これにより、日本IBMやNEC、野村総合研究所などの企業がサブコントラクタとして参画することになりました。

特に90年代中盤には、国産UNIX機を用いた高可用性のシステム構築が行われ、Rubyなどのオープンソースを利用した先進的な試みも見られました。このような取り組みは、その後の官庁系オンラインシステムにおいてもタイプリードされた存在となりました。

また、2017年1月、簡易保険システムは新たにIBM製の汎用機へと移行し、これによりシステムの統一が図られました。それ以前の旧システムは、NEC、IBM、日立製作所など複数のベンダーが関与していましたが、今回の移行により一元化が進められました。

懸念と疑問

第4次システムは2000年に移行されたばかりですが、依然として汎用機が中心の構成であることに対し、高コストで非効率な運用が懸念されています。特に、第3次システムではオープン系システムが一時的に使用された後、再び汎用機に戻したという実態が、システムの整備に対する疑問を生む要因となっています。

その他の情報

情報系システムの構築にあたり、日本IBMの女性マネージャーが日経提供のテレビ番組に取り上げられ、同社の女性に対する取り組みが広告塔として注目される事例もありました。このような社会的な反響も、企業像の改善に寄与しています。

詳しい情報は、かんぽシステムソリューションズ株式会社をご覧ください。

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