米本恭三

米本恭三：リハビリテーション医学の先駆者

米本恭三（よねもと きょうぞう、1932年 - 2024年）は、日本の医学界において、リハビリテーション医学、神経内科学、整形外科学の発展に尽力した医学者・医師です。東京慈恵会医科大学名誉教授、東京都立大学名誉教授などの要職を歴任し、教育・研究の両面で多大な功績を残しました。

学歴と職歴

1958年に東京慈恵会医科大学を卒業後、1963年に同大学院を修了。整形外科学教室・第二生理学教室の助手として研究生活をスタートさせました。東京大学医学部脳研究施設・神経内科への国内留学、ワシントン州立大学への客員教授としての留学も経験し、幅広い知識と国際的な視野を培いました。

東京慈恵会医科大学では、整形外科講師、助教授を経て、1983年に教授に就任。リハビリテーション科、体力医学研究室を担当し、後進の育成に尽力しました。1993年から2003年まで東京慈恵会医科大学附属第三病院病院長、1995年から1998年まで同大学理事を務め、大学運営にも貢献しました。

1998年には名誉教授を授与され、東京都立保健科学大学学長に就任。東京都立四大学改編に関わり、首都大学東京への移行を主導しました。2006年には首都大学東京名誉教授となり、教育者としての生涯を終えました。

専門分野と研究

米本恭三は、リハビリテーション医学、神経内科学、整形外科学を専門とし、特にリハビリテーション医学の発展に大きく貢献しました。学位論文は「脊髄性小児麻痺手術の遠隔成績」です。

国立精神・神経センター神経研究所客員研究員、北海道大学客員教授なども歴任し、研究活動にも積極的に取り組みました。日本リハビリテーション医学会理事長、国際リハビリテーション医学会副会長、日本保健科学学会会長などの要職を歴任し、学会の発展にも貢献しました。

社会貢献

米本恭三は、医療の発展だけでなく、社会貢献にも積極的に取り組みました。日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医、日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本神経学会認定神経内科専門医としての豊富な知識と経験を活かし、多くの患者の治療に尽力しました。

東京都などの公共機関で各種委員を務め、医療政策の推進にも貢献しました。2009年には、長年の功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

著書

米本恭三は、多数の著書を執筆し、リハビリテーション医学の知識普及に貢献しました。

『家庭で誰でもできるリハビリ』宮野佐年共著、日本プランニングセンター 、1988年
『在宅リハのノウハウ』宮野佐年共著、日本プランニングセンター 、1990年
『図説整形外科診断治療講座（20）』室田景久ほか編、メジカルビュー社、1991
『実践リハ処方』米本恭三ほか編、医歯薬出版、1996年
『リハビリテーションにおける評価』米本恭三ほか編、医歯薬出版、1996年
『リハビリテーションクリニカルパス実例集』石神重信・石田暉編、医歯薬出版、2001年
『リハビリテーション医学Q&A;』米本恭三ほか編、医歯薬出版、2002年
『脳機能画像解析入門』月本洋・菊池吉晃・妹尾淳史・安保雅博・渡邉修共著、医歯薬出版、2007年

受賞歴

1994年：都知事賞
1996年：マルチメディア・グランプリ'96特別賞（パッケージ部門）
* 1999年：Best Original Research賞（第23回Williamsburg Conference）

米本恭三は、リハビリテーション医学の発展に貢献しただけでなく、教育者、社会貢献家としても多大な功績を残しました。その業績は、今後も長く人々に語り継がれることでしょう。

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