米満達弘

米満達弘（よねみつ たつひろ）

米満達弘は1986年8月5日に生まれた、日本の元レスリング選手であり、現在は指導者として活動している。出身地は山梨県富士吉田市であり、陸上自衛隊に所属する自衛官で、階級は1等陸尉である。

経歴の始まり

彼は山梨県立韮崎工業高等学校を卒業後、拓殖大学の政経学部で学び、その後レスリングに専念することとなった。米満はレスリングのキャリアにおいて数々の輝かしい成果を収めており、特に注目すべきは、2008年の全日本学生選手権においてフリースタイル66kg級で優勝し、文部科学大臣杯を獲得したことである。この成功により、さらに自身の競技成績が向上していく。

2008年には天皇杯全日本選手権でも優勝を果たし、次第にその名が知られるようになった。2009年にはヤシャ・ドク国際大会で優勝し、同年の世界選手権でも銅メダルを獲得。このような実績が彼の国際的な評価を高めた。

主な成績

2010年にはアジア競技大会で金メダルを獲得し、1994年の広島大会以来16年ぶりの快挙を成し遂げた。その後、2011年9月にはイスタンブールで開催された世界選手権で銀メダルを獲得し、ロンドンオリンピックの日本代表の枠を確保した。

2012年にはロンドンオリンピックに出場し、フリースタイル66kg級で見事な活躍を見せた。初戦での勝利を皮切りに、準々決勝、準決勝と勝ち進み、決勝戦でも勝利を収めた。これにより、米満は日本男子レスリング史上24年ぶりとなるオリンピック金メダリストとなった。この金メダルは、1912年のストックホルムオリンピック以来、夏季オリンピックで通算400個目のメダルでもあり、また日本選手団の今回のメダル総数を38個に増やす一助ともなった。

引退とその後

ロンドンオリンピック後、米満は期待されたものの、度重なる怪我に悩まされることになる。彼は競技を続けることが難しくなり、2015年1月に競技引退を発表した。この際、米国への留学などを通じて指導者としてのキャリアを目指す考えを示した。

2016年には日本レスリング協会の理事会において、レスリング男子フリースタイルのコーチとして指導に取り組むことが決まった。彼の指導の下、新たな選手たちが次々と成長していくことが期待されている。

特筆すべき点

米満は168cmという身長に対し、184cmのリーチを持っており、この体格的特性が試合における大きな武器となっていた。また、彼の金メダル獲得の日に、友人である矢部浩之と青木裕子のプロポーズが行われていたことでも知られている。

競技者としての受賞歴に加え、ロンドンオリンピックでの業績によって、紫綬褒章を受章するなど、公的な評価も受けている。さらに、米満は山梨県からも彩の国功労賞を受賞した。

今後も、彼の経験と知識が次世代の選手たちの育成に生かされ、さらなる成果につながることが期待されている。

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