粕谷俊雄

粕谷俊雄：海洋生物学の巨匠

粕谷俊雄（かすや としお）は、1937年生まれの日本の海洋生物学者です。東京大学農学部水産学科を卒業後、鯨類研究所や東京大学海洋研究所、水産庁遠洋水産研究所などで研究員や助手を務めました。その後、三重大学生物資源学部教授を経て、帝京科学大学教授として教鞭を執りました。

研究分野

粕谷博士の専門は、クジラ、イルカ、ジュゴンなどの水生哺乳類です。これらの生物の生活史を詳細に研究し、その生態解明に大きく貢献しました。また、研究成果を基に、これらの生物の保全管理にも携わり、持続可能な資源利用を提唱してきました。

学歴と職歴

1937年：出生
東京大学農学部水産学科卒業
財団法人日本捕鯨協会鯨類研究所 所員
東京大学海洋研究所 助手
水産庁遠洋水産研究所底魚海獣資源部鯨類資源研究室 室長
三重大学生物資源学部 教授
帝京科学大学 教授

1972年には東京大学から農学博士の学位を授与されました。博士論文の題目は「鼓室・耳周骨の形態にもとづく現生歯鯨類の系統分類学的考察」であり、この研究は、鯨類の進化と系統分類に重要な知見をもたらしました。

著書と論文

粕谷博士は、多数の著書や論文を発表しています。以下に代表的なものを紹介します。

翻訳
R. H. Burne 粕谷俊雄訳 (1963). 『R. H. バーンによる鯨解剖の手引き』. 鯨研叢書No.5. 鯨類研究所
編著
宮崎信之、粕谷俊雄, ed (1990). 『海の哺乳類 : その過去・現在・未来』. サイエンティスト社
伊沢紘生; 粕谷俊雄 (1996). 『哺乳類』. 日本動物大百科 第1-2巻. 平凡社
高槻成紀、粕谷俊雄, ed (1998). 『哺乳類の生物学』. 東京大学出版会
単著
粕谷俊雄 (2011). 『イルカ : 小型鯨類の保全生物学』. 東京大学出版会

また、国立情報学研究所にも多数の論文が収録されており、その研究成果は広く学術界に貢献しています。

受賞

長年の研究活動が評価され、2013年には日本哺乳類学会賞を受賞しました。

参考文献

[国立情報学研究所]]収録論文：[国立情報学研究所

粕谷俊雄博士は、海洋生物学、特に水生哺乳類の研究において、その深い知識と卓越した研究能力で多大な貢献を果たしました。彼の研究は、これらの生物の保全と持続可能な資源利用にとって、貴重な基盤となっています。また、教育者としても、次世代の研究者を育成し、海洋生物学の発展に大きく貢献しています。

もう一度検索