粟嶋神社 (佐伯市)

粟嶋神社の概要

粟嶋神社（あわしまじんじゃ）は、大分県佐伯市の米水津地区に存在する神社で、旧郷社に指定されています。この神社は米水津湾に面する岬の北西部に位置し、自然豊かな環境の中に佇んでいます。

祭神

この神社の主祭神は大名持命と少彦名命の2柱であり、加具突知命、言代主神、及び菅原道真公も共に祀られています。これらの神々は、農業や商業、学問の神として信仰され、多くの人々に親しまれています。

由緒

社伝によれば、粟嶋神社の創建は14世紀中頃に遡ります。具体的には、貞治年間に征西将軍である懐良親王が、部下の菊池武光を引き連れて豊後国へ下向する際に、日向灘で海難に遭遇しました。この時、親王の侍臣である渡辺左衛門尉が紀州の粟嶋明神（現在の和歌山県海南市にある神社）に無事を祈願した結果、無事に米水津の小浦に着岸することができました。この出来事に感謝し、神社の社殿を新たに建立し、その神の分霊を勧請したのがこの神社の創祀とされています。

創建は貞治5年（西暦1366年）であると伝えられており、清原信重によるものであるとも言われています。この神社は、地域の海民を中心とした信仰を集め、以降長い歴史を刻んできました。江戸時代には、宝永4年（1707年）にこの神社のありったけの信者が本社である海南市の粟嶋神社を訪れ、金箔を施した金幣を奉納するという出来事もありました。この金幣は現在も同神社に現伝されています。

明治6年（1873年）には、粟嶋神社は正式に郷社として列格され、戦後には神社本庁に参加するなど、時代の変遷と共にその地位を確立してきました。

祭りと地域の役割

この神社では、地元住民による祭りや行事も行われており、地域の人々にとって大切な存在となっています。特に、海に関わる古い信仰が色濃く残る場所であるため、漁業に従事する人々やその家族にとって、神社は安全航海や豊漁を祈願する場となっています。

現在の粟嶋神社

近年では、訪れる人々が神社の静かな環境の中で心を落ち着け、神々へ祈りを捧げることができる場所としても知られています。神社の周辺には美しい景色が広がっており、観光客にも人気のスポットとなっています。粟嶋神社は、地元の文化や伝統を守り続ける重要な役割を果たしているのです。

このように、粟嶋神社は歴史と信仰が交錯する場所として、地域の人々に支えられながら、その存在意義を続けています。

もう一度検索