精製水

精製水（せいせいすい）

精製水とは、蒸留や濾過、イオン交換などの手法を用いて、濃度を高めた非常に純度の高い水を指します。この水は一般に無色透明で、味や臭いがなく、時には紫外線によって滅菌されることもあります。精製水は、医薬品や医療機器の使用において重要な役割を果たすため、その品質には厳格な基準が設けられています。

概要

精製水は製造業者ごとに不純物の濃度に関する独自基準が設けられることがありますが、特に医療用途においては日本薬局方の標準に従うことが求められます。第十六改正日本薬局方では、「精製水はイオン交換、蒸留、逆浸透または限外ろ過などの手法を単独または組み合わせたシステムを用いて製造されたものであり、製造後は速やかに使用すべきである」と定義されています。また、微生物の増殖抑制の目的で一時保存が認められている場合もあります。

さらに、精製水には試験法として性状・純度試験や導電率の確認が義務付けられています。一般的には「精製水（容器入り）」が多く使用され、試験法にはそれに加え、過マンガン酸カリウム還元性物質の純度試験や微生物限度試験が含まれます。

日本薬局方では、水は常水、精製水、滅菌精製水、注射用水に分類されます。精製水は特に、科学実験の溶媒やコンタクトレンズ、医療器具の洗浄に使用され、雑菌が混入しても大きな影響がない用途に適しています。

工業用精製水

医療用とは別に、条件が緩い使用目的のために各業者が製造する「工業用精製水」も流通しています。例えば、バッテリー液の補充や不凍液の希釈、一般的な器具の洗浄などに利用されます。これらの工業用精製水は、製造工程を簡略化しているため、医療用としては使用できませんが、その分価格が安価である点が特徴です。

そのため、医療目的に使用する水は日本薬局方で定義された規格を満たす必要があり、「医療用精製水」という呼称で区別されています。

関連項目

• - 純水
• - 超純水
• - イオン交換水

精製水は、医療や産業などの様々な分野で必要とされる必須な水であり、その製造方法と品質基準についての理解は、使用者にとって重要な知識となります。

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