紀の国大橋

紀の国大橋の概要

紀の国大橋（きのくにおおはし）は、和歌山県和歌山市にある紀の川に架かる橋です。この橋は、第二阪和国道の一部であり、和歌山北バイパスとして交通の流れを改善するために建設されました。具体的には、車線が少なく、渋滞が発生しやすかった北島橋の混雑を解消することを目的としており、開通以来多くの利用者に支持されています。

この橋が完成するまで、近隣には南海橋（別名：一銭橋）が存在していました。南海橋は幅3メートルの狭い木造橋であり、1874年頃に建設されました。国家の許可を得て土橋市次郎と楠見太郎左衛門が着手し、一厘橋として知られていました。しかし、十年後には廃業し、1898年には南海電気鉄道が資材を運搬するために仮設橋を架けました。この南海橋もその後流出し、地域住民の手によって再建されました。

1942年まで、旧楠見村においては橋を利用する際に一銭の徴収が行われ、その掛け金は橋脚の維持管理に使われていました。このことが影響し、今でも紀の国大橋を「一銭橋」と呼ぶ住民も少なくありません。

紀の国大橋は2003年の開通以来、地域の重要な交通路として機能し続けています。特に、開通時には周辺に踏切が存在していましたが、2008年には踏切が廃止されました。これは、紀勢本線和歌山駅と和歌山市駅間の高架化工事の完了によるもので、交通の円滑化に寄与しました。

また、紀の国大橋はその全長1,030メートルを誇り、設計速度は80km/hです。右岸側の接続路線には和歌山県道140号善明寺北島線、左岸側には国道24号があり、交通の利便性を高めています。このように、紀の国大橋は地域の交通の要としての役割を果たし続けているのです。

さらに、和歌山市内には紀ノ川大橋や紀州大橋といった名称が似た橋が他にも存在するため、少々混同されがちな部分もありますが、それぞれ異なる特徴を持つ流水の上の架け橋です。紀の国大橋は、その重要性から今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

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