紀元2600年記念日本万国博覧会

紀元2600年記念日本万国博覧会

紀元2600年記念日本万国博覧会（きげんにせんろっぴゃくねんきねん にほんばんこくはくらんかい）は、1940年に東京で開催予定だった国際的な博覧会です。これが一般的に「東京万博」と呼ばれることが多いのですが、残念ながら日中戦争の激化などの理由により開催は中止されました。

概要

この万国博覧会の開催提案は1929年に民間から持ち上がり、その後、東京と神奈川の知事、東京・横浜市長、商工会議所が賛同し、1934年には「日本万国博覧会協会」が設立されました。この協会により、皇紀2600年を記念する行事として1940年の開催を計画することとなります。

1937年には、協会の重要な役職に秩父宮雍仁親王や近衛文麿総理大臣などが任命され、4500万人の入場者数を見込むなど、具体的な準備が進められました。また、会場として東京市の月島4号地（現在の晴海）と5号地（現在の豊洲）が選定されています。その他には、台場公園や横浜市の山下公園も会場として候補に上がっていました。

予算は4450万円と見込まれ、当時の東京オリンピックの3094万円を上回る規模で設定されました。この資金の一部は前売り券の販売により調達され、1938年に早くも第1期分として1000万円分が販売開始されていました。

開催日は3月15日から8月31日までの170日間が予定されていましたが、日中戦争による資源の制約や参加国の減少などの懸念が高まり、1938年7月15日に延期が決定され、そのまま実質的に中止となってしまいました。

開催準備の進展

開催計画では、「精神文化に関わる荘厳な日本建築」を中心とした施設が建設される予定で、さまざまなジャンルの館が計画されていました。具体的には、教育館や美術館、科学館、そして発明館などが含まれ、幅広い分野の文化を紹介する予定でした。また、会場の整備の一環として勝鬨橋も新たに建設されることとなります。

特に、主な展示館には「肇国記念館」というテーマ館が設けられる予定でした。この館は当初「建国記念館」として計画されていましたが、戦争によりその運命は大きく変わりました。開催延期後、この事務局は「東京第一陸軍病院月島分院」として使用され、最終的には戦災で失われてしまいます。

前売り券の販売

1938年3月には前売り券が発売され、100万枚の発行が予定されました。価格は12枚綴りで1冊が10円というものでした。しかし、延期決定後、払い戻しが行われ、約80%の券が返金されたことが記録されています。このように、万国博覧会に対する期待は高かったものの、戦争の影響でその多くが無になってしまったのです。

結論

1940年東京万博は、まさに国際的なイベントとしての位置づけを期待されながらも、戦争という厳しい現実によって中止せざるをえなかった特異な歴史の一部です。その影響は今日においても、「万博」という行事に対する認識に影響を与え続けています。開催されていれば、如何に多くの人々や国々を引き寄せていたか想像することは難しくありません。吉野信次商工大臣や各国からの参加者がどのような文化的交流を果たしていたのかは、今もって知る由もありません。

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