紀勢宮川橋

紀勢宮川橋について

紀勢宮川橋は、三重県多気郡大台町と度会郡大紀町の間、紀勢自動車道の勢和多気インターチェンジと大宮大台インターチェンジ間に位置する、一級河川宮川に架かる橋梁です。この橋は、その独特な構造と周囲の景観から、多くの注目を集めています。

橋の概要

紀勢宮川橋は、最大支間長90mに対応するため、ダブルワーレントラス構造が採用された複合橋です。この構造は、格点間隔を狭め、上弦材でPC床版を直接支持することで、床組構造を省略化し、自重が小さく剛性の高い構造を実現しています。また、平野部の高架橋で採用されることが多かったトラベラークレーンによる張り出し架設工法を、急峻な山間地でも採用可能であることを示しました。

耐震性向上のため、橋の中央部の4橋脚はトラス構造と剛結され、両端の2橋脚と橋台には免震支承が使用されています。さらに、主構造にH形[[鋼]]やCT形[[鋼]]といった汎用品を多用することで、材料コストと製作工数の削減による経済性向上を図っています。

2005年11月に竣工し、勢和多気・大宮大台IC間の開通に伴い2006年3月に供用が開始されました。この橋は、その優れた設計と施工技術が評価され、2005年度の土木学会田中賞（作品部門）と、2009年度の土木学会デザイン賞を受賞しています。

橋の構造と特徴

形式: 7径間連続PC・鋼複合ダブルワーレントラス[[橋]]
橋長: 537m
最大支間長: 90m（×3）
総幅員: 10.45m
有効幅員: 9m
架設工法: トラッククレーンベント工法を併用したトラベラークレーン工法による張出し架設工法
事業主: 中日本高速道路
施工: 横河ブリッジ
総工費: 18億7300万円
所在地: 三重県多気郡大台町大字下三瀬 - 度会郡大紀町三瀬川

松阪側の三瀬トンネルと尾鷲側の船木トンネルに挟まれた、河床との標高差約70mの宮川の谷に架けられているため、眺望は非常に優れています。しかし、強風時には走行に注意が必要です。この橋は、その構造美と周囲の自然が見事に調和した、まさに技術と景観が融合した場所と言えるでしょう。

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