約束
「約束」(やくそく)は、シンガーソングライターであるEveによって発表された楽曲です。彼にとってメジャーレーベルからの5作目となるデジタル
シングルとして、
2020年10月24日に各種主要
音楽配信プラットフォームを通じて一斉にリリースされました。
リリース背景
本楽曲のリリースは、社会現象とも呼べる大ヒットを記録した前作のデジタル
シングル「廻廻奇譚」の発表から、わずか21日という非常に短い間隔で行われました。この矢継ぎ早なリリースは、当時の音楽シーンにおいてEveの活動ペースの速さを示すものであり、ファンを大いに驚かせました。
「WonderWord」プロジェクトの始動
「約束」は、Eveが音楽を通じて新たな物語や世界観を創造し、多様な表現方法を模索する目的で新たに立ち上げたプロジェクト「WonderWord」の、記念すべき第一弾楽曲として位置づけられています。このプロジェクトの開始を告げる重要な作品となりました。
ミュージックビデオ
楽曲の配信開始と同日の
2020年10月24日には、その世界観を視覚的に描出したアニメーションによるミュージックビデオが
YouTubeにて公開されました。この映像は、多くのアニメ作品を手がけるアニメーション制作チーム「
CloverWorks」との緊密な協業によって生み出されたものです。ミュージックビデオの中には、人気声優である
島﨑信長氏と
斉藤壮馬氏が声の出演を果たしており、楽曲が持つ物語性をさらに深く印象づける要素となっています。
アルバムへの未収録
2020年にリリースされたオリジナルアルバム『Smile』以降に発表されたEveの楽曲群は、その多くが2022年にリリースされた次なるアルバム『廻人』に収録されています。しかし、「約束」はこれらの楽曲の中で唯一、『廻人』には収録されなかった楽曲であり、この点が本楽曲の存在を特徴づける一つの側面となっています。
小説化とラジオドラマ化
「約束」は単なる楽曲に留まらず、その音楽と歌詞に込められた物語性から、他のメディアへと展開を果たしました。作家の夜野いと氏によって、本楽曲をモチーフとした短編小説「色が泳いで、息をした」が執筆され、物語投稿サイト「monogatary.com」に掲載されました。
さらに、この小説はラジオドラマ化されることが決定しました。2022年7月29日にラジオドラマ化が発表され、
ニッポン放送の深夜番組『ガクのネ』内の特別企画として、『Eveラジオドラマ ~色が泳いで、息をした~』という番組名で放送されました。ラジオドラマは2022年8月1日から放送が開始され、全4回にわたってオンエアされ、楽曲の世界観を音声を主体としたドラマとしてリスナーに届けました。
「約束」は、音楽作品としてだけでなく、その後に続くプロジェクトやメディアミックス展開の起点となった、Eveの活動における重要な一曲と言えます。