納品

納品について

納品とは、売買契約において商品を引き渡す行為や、その処理を指します。この行為は、一般的に店頭での商品の受け渡しとは異なり、消費者との取引においては、代金支払い後に商品が届けられる場合に使用されます。また、広義には配送業者が荷物を指定の場所に届けることも納品に該当します。ここでは、日本における納品の商習慣について詳しく説明します。

納品日の重要性

ビジネス間の取引において、納品日は極めて重要な要素です。通常、販売側が商品を納品すれば、購入側の会社はまとめ払いの手続きを行います。この際、締め日を設定して、実際の支払い日を支払日と呼称します。例えば、「20日締め翌月20日払い」の場合、昨月の21日から今月の20日までに納品された商品は、来月の20日に支払われます。納品日が1日遅れるだけで、支払日も1ヶ月遅れる可能性があるため、遅延はビジネス運営に影響を及ぼします。

納品に関連する書類としては、「納品伝票」があります。これは、販売側が購入側に渡す納品書と、購入側が受領印を押して販売側が保管する物品受領書の2つから成り立っています。例えば、宅配便での納品の場合、荷物に添付されている納品書は販売側が保管し、荷受人が受領印をもらって持ち帰るのが物品受領書となります。

海外との取引においては、納品日が為替レートに影響を与えることがあります。多くの場合、「本船甲板渡し価格（FOB価格）」が適用され、これは輸出港に船が停泊した日の価格を指します。

危険負担の概念

納品における商品の破損に対する危険負担は、契約書の内容に依存しますが、一般的には納品前は販売側が、納品後は購入側が負担します。例えば、商品が配送中に破損した場合、その責任は販売側にあります。小額取引においては、普通郵便での発送も一般的ですが、万が一商品が届かない場合でも、販売側が責任を負わなければならないため、軽微な商品の取り扱いでも発送と到着の証明ができる手段を選択することが望まれます。

法律上、納品前に特定の物が納品労力対象として不明の状態を「非特定物」とし、納品後に特定された状態に至った物を「特定物」と呼びます。非特定物の場合は販売側が危険負担を負い、特定物の場合は購入側の負担となります。例として、購入側に保管スペースがない場合に、販売側が商品の管理を行うことがありますが、この際も特定物となり、販売側には善管注意義務があります。

電子納品の導入

国土交通省は、公共事業における電子納品を推進しており、2001年度以降に段階的に対象工事を拡大しています。現在ではすべての公共事業が対象となり、設計図や工事写真などの成果物を電子データとして納品することが求められています。当初はCD-Rなどに収めて提供されていましたが、現在ではインターネット経由でのオンライン電子納品が可能です。これにより、効率的な情報管理が実現されています。

電子納品は、国土交通省だけでなく、地方自治体や旧道路公団の民営化事業体でも普及が進んでおり、日本全体での納品手続きのデジタル化が進行しています。

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