紙屋敦之

紙屋敦之：日本近世史の権威

紙屋敦之（かみや のぶゆき）は、日本の歴史学者であり、1946年6月24日に鹿児島県で生まれました。2019年に逝去するまで、彼は日本近世史、特に日琉関係史の専門家として知られていました。早稲田大学の名誉教授でもある彼は、深い学識と独自の研究視点をもって多くの著作を残し、学界に大きな影響を与えました。

学歴と経歴

紙屋は1965年に鹿児島県立甲南高等学校を卒業し、その後早稲田大学教育学部に進学しました。1969年に大学を卒業した後、早稲田大学大学院文学研究科の修士課程に進学し、1972年に修了しました。さらに、博士課程に進むことになり、1981年には学位取得のための単位を全て取得しましたが、修了はせずに退学しました。

1975年、彼は「梅北一揆の歴史的意義─朝鮮出兵時における一反乱─」という論文を発表し、これが学会における彼の名を知らしめるきっかけとなりました。この研究を通じて、彼は日本と琉球の歴史的関係に興味を持つようになり、1991年には論文「幕藩制国家の琉球支配」で早稲田大学から文学博士を取得しました。

教授としての活動

1987年からは福岡大学にて助教授として教壇に立ち、1992年からは早稲田大学に移り、助教授を経て教授に昇進。その後も早稲田大学文学学術院で教授職を務めました。在任中、彼は学生部長、図書館長、そして早稲田中学校・高等学校の校長などを歴任し、多岐にわたる教育活動に貢献しました。

研究と著作

紙屋の研究は、日本と琉球、中国との関係を中心に展開されました。彼の著書には、『幕藩制国家の琉球支配』（1990年）、『大君外交と東アジア』（1997年）、『琉球と日本・中国』（2003年）などがあります。彼はまた、梅北一揆に関する研究でも知られており、2017年に発表した『梅北一揆の研究』はその集大成と言えるでしょう。

彼は歴史研究だけでなく、教育者としても多くの学生に影響を与えました。学術界での貢献により、早稲田大学では名誉教授として称えられました。

逝去とその後

2017年に定年退職し名誉教授となった後も、紙屋は歴史学の発展に尽力していましたが、2019年にその生涯を閉じました。彼の研究や教育の跡は、今なお多くの学者や学生に受け継がれ、彼の名前は日本の歴史学において不朽のものとして記憶されています。

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