紫玉

紫玉（しぎょく）

紫玉は、ブドウの栽培品種の一つであり、巨峰の早生系選抜系統である高墨の、さらに早生の枝変わり品種として知られています。巨峰と比較して収穫時期が早く、市場への供給期間を調整する上で重要な役割を果たしています。

育成と品種登録

紫玉は植原葡萄研究所によって育成され、1987年8月7日に品種登録されました。しかし、2005年に育成者権が期間満了により失効しています。

特徴

紫玉は巨峰の変異体であるため、基本的な果実品質は巨峰とほぼ同じです。糖度は18度程度で、果皮色も黒色をしています。ただし、栽培環境や栽培方法によっては、巨峰よりも1粒の重さが小さくなる傾向があります。また、酸味の低下が巨峰よりも早いという特徴があります。外観や食味だけでは巨峰と紫玉を区別することは非常に難しいです。

収穫時期: 巨峰よりも2週間程度、高墨よりも1週間程度早い
糖度: 18度程度（巨峰と同程度）
果皮色: 黒色（巨峰と同程度）
粒の大きさ: 巨峰よりも小さい場合がある
* 酸味: 巨峰よりも早く低下する

販売戦略

紫玉は巨峰の枝変わり品種であるにもかかわらず、その知名度は巨峰に比べて著しく低いです。そのため、市場では「巨峰」または「早生巨峰」として販売されることが一般的です。農家にとっては、紫玉や高墨を「巨峰」として出荷することで、巨峰全体の出荷期間を延長できるというメリットがあります。さらに、収穫時期のピークを分散させることで、収穫作業の労力を軽減することも可能です。

まとめ

紫玉は、巨峰の早生品種として、市場における巨峰の供給期間を調整し、農家の作業効率を向上させる役割を担っています。消費者にとっては、巨峰と区別することが難しいかもしれませんが、紫玉の存在は、より長い期間、巨峰を楽しむことができる一因となっています。

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