細川忠雄

細川忠雄（ほそかわ ただお）は、1909年11月20日に山梨県甲府市で生まれ、1969年11月29日に没した日本の新聞記者、エッセイストです。

東京外国語学校フランス語科を卒業後、東京市役所に勤務しましたが、1939年に読売新聞社に入社し、新聞記者としてのキャリアをスタートさせました。ハノイ特派員、バンコク支局長などを歴任し、海外での取材経験も豊富です。1946年には論説委員に就任し、読売新聞の社論を執筆する重要な役割を担いました。1955年からは、夕刊コラム「よみうり寸評」を担当し、その辛辣でユーモラスな語り口が読者から高い人気を得ました。

細川忠雄の文章は、社会に対する鋭い観察眼と、ウィットに富んだ表現が特徴です。日常の出来事や社会現象を独自の視点で捉え、読者に新たな発見や気づきを与えました。また、エッセイストとしても才能を発揮し、その作品は多くの読者を魅了しました。日本エッセイスト・クラブ賞選考委員も務め、後進の育成にも尽力しました。

著書には、第二次世界大戦中のアメリカ海軍に関する『米海軍』や、エッセイ集『柱時計の音』、『よみうり寸評』シリーズ、『毒舌ご免』、『雑草一家』などがあります。これらの作品は、新聞記者としての経験や、社会に対する深い洞察が反映されており、今日でも多くの読者に読み継がれています。

特に「よみうり寸評」は、細川忠雄の代表作と言えるでしょう。このコラムでは、政治、経済、社会、文化など、幅広いテーマを取り上げ、独自の視点から鋭く批判しました。その辛口な批評は時に物議を醸しましたが、多くの読者から支持され、読売新聞の名物コラムとなりました。細川忠雄の文章は、時を経ても色褪せることなく、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

細川忠雄は、新聞記者としてだけでなく、エッセイストとしても、その才能を発揮し、日本の言論界に大きな足跡を残しました。彼の文章は、時代を超えて読み継がれ、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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