紺ハイ

紺ハイとは

紺ハイとは、「紺色のハイソックス」を略した言葉で、2000年頃から2010年代半ばにかけて、日本の女子高生の制服コーディネートの定番アイテムの一つでした。

流行の変遷

20世紀末、女子高校生の間ではルーズソックスが一大ブームを巻き起こしていました。

21世紀に入ると、ルーズソックスに代わってハイソックスが注目を集めるようになります。中でも、白いルーズソックスに比べて「お嬢様っぽい雰囲気」を醸し出し、足を細く見せる効果もある紺色のハイソックスが人気となりました。防寒対策として、紺色のハイソックスを履いた上からルーズソックスを重ね履きするスタイルも見られました。

学校指定の靴下の丈が短く、ハイソックスと呼べないようなものであっても、少しでも長く見せるために、短い丈のソックスを可能な限り引き上げ、ソックタッチなどの靴下止めを使用して固定する、といった工夫をする女子高校生もいました。

また、一部の女子高校生の間では、膝上まであるニーハイソックスを着用するスタイルも登場しました。ミニスカートとニーハイソックスの間にできる太ももの素肌の露出部分、いわゆる「絶対領域」をアピールすることが目的で、「アイドル系ファッション」を目指す女子高校生に好まれましたが、主流となるまでには至りませんでした。

流行の終焉

2015年頃になると、紺ハイをふくらはぎの下までたるませて履く「プチルーズソックス」のようなスタイルが流行し始めます。

この現象は、2017年に朝日新聞が行った全国14都道府県での「高校生スカート丈調査」によって広く知られるようになりました。この調査では、名古屋市の女子高校生を中心に、紺ハイを「くしゅくしゅ」とたるませて履く姿が見られ、「靴下は本当は長いけれど、短くたるませて履く方がおしゃれ」、「ハイソックスは時代遅れ」といった意見が聞かれました。

この調査結果は名古屋市だけでなく、全国的な傾向として現れていました。福岡・博多駅周辺での目視調査では、短い靴下を履いている女子高校生が多数を占めていました。

全国の高校生へのヒアリング調査では、「靴下を短く履くのは、先輩を見て学んだ」という声が多く、この「くしゅくしゅ」文化が先輩から後輩へと受け継がれていることが示唆されました。

令和時代に入ると、ハイソックスは「陰キャ」のイメージを持たれるようになり、女子高校生の間では短い丈の靴下が主流となっています。

紺ハイは、女子高生ファッションの歴史の一つの象徴として、記憶されることでしょう。

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