紺碧の艦隊

『紺碧の艦隊』とは

『紺碧の艦隊』は、荒巻義雄による戦記シミュレーション小説です。1990年に執筆を開始し、1996年に完結しました。この作品は、同じく荒巻義雄が書いた『旭日の艦隊』と密接な関係があります。また、続編や特別編も制作されており、特に『新・紺碧の艦隊』や『新・旭日の艦隊』が存在します。原作は徳間書店から全21巻で刊行されており、2004年12月から文庫版も発行されています。アニメ版は32話から成り立っています。

概要

『紺碧の艦隊』は、架空戦記ブームを引き起こした作品の一つであり、同一の世界設定の中で『紺碧』と『旭日』という二つのシリーズを同時並行的に執筆しています。この作品は登場人物がクロスオーバーするなど、非常にユニークな構成になっています。また、それぞれのシリーズが異なる出版社から出版されるという、出版業界としても異例の取り組みが注目されました。ゲーム化もされており、スーパーファミコン版やPC版など、複数のプラットフォームで楽しむことができます。漫画版では、日本語の会話部分は通常の縦書きですが、英語やドイツ語の会話部分は横書きで表記されるなど、工夫がされています。

小説版のあらすじ

物語は、昭和18年4月18日に日本帝国海軍の連合艦隊司令長官が戦死したところから始まります。それから38年後、彼は転生した高野五十六という若き海軍少尉候補生として、同じ悲劇を繰り返さないために紺碧会を結成します。彼は前世からの転生者たちを集め、クーデターを計画しますが、運命の開戦を迎えることになります。

登場キャラクター

登場人物は多彩で、日本の歴史に名を残した志士たちの名前が多く用いられています。例えば、大高弥三郎陸軍中将は、前世から生まれ変わった者であり、陸軍の中でも珍しく海軍力を重視する人物です。また、高野五十六海軍大将は前世では山本五十六として知られており、海軍から同じ志を持つ者を集めて「紺碧会」を結成するなどの活躍を見せます。その他にも多くのキャラクターが存在し、彼らの間には深い人間関係が描かれています。

アメリカとナチス

作品中ではアメリカ合衆国やナチス第三帝国についても描かれており、それぞれの指導者たちが物語に関与しています。アメリカのルーズベルト大統領やマッカーサー陸軍元帥、さらにはヒトラーやゲーリングなど、彼らの運命も物語の中で重要な要素を成しています。

メディア展開

『紺碧の艦隊』は、アニメ化や漫画化もされており、その人気の高さから多くのメディア展開が行われました。OVA版は日本国内外で販売され、高い評価を得ています。また、シリーズ全体を収めたDVDボックスなど、関連商品も多数発売されています。特別編として制作された『蒼莱開発物語』は、特にファンから注目された作品で、開発秘話が描かれています。

作品の評価

書籍版は影響力を持ち続け、OVA版は日本の第2次世界大戦の終結までを描き切り、また続編も多くの人々に愛されています。批判もあるものの、架空戦記作品としては最も成功した作品の一つとされ、多くのファンを魅了し続けています。

もう一度検索