終わらない歌

ゆず43枚目のシングル「終わらない歌」：横浜スタジアムライブを彩る名曲と、その背景

2015年8月12日、ゆずの43枚目のシングル「終わらない歌」がセーニャ・アンド・カンパニーより発売されました。前作「OLA!!」から4ヶ月ぶりとなるこのシングルは、同年夏に開催された「ゆず 弾き語りライブ2015 二人参客 in 横浜スタジアム」を目前に控え、大きな話題を集めました。

「終わらない歌」：未来へのメッセージと、高い評価

表題曲である「終わらない歌」は、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』の2015年度テーマソングとして書き下ろされました。北川悠仁氏による作詞・作曲、前山田健一氏による編曲という強力な布陣で制作されたこの楽曲は、3月30日の番組オンエア開始と同時に先行配信され、大きな注目を集めました。6月26日には『ミュージックステーション』でテレビ初披露され、その感動的なパフォーマンスは多くの視聴者の心を掴みました。さらに、横浜スタジアム公演ではアンコールで関東学院マーチングバンドとの共演を果たし、会場全体を一体感で包み込みました。

楽曲の制作背景について、北川氏は「WONDERFUL WORLD」や「Hey和」といった過去の楽曲を土台に、「未来の子どもたちに大人としてなにを残せるのか」という問いかけをより具体的に表現しようと試みたと語っています。この未来への希望と責任感、そして世代を超えて響く普遍的なメッセージが、「終わらない歌」の魅力と言えるでしょう。

ミュージックビデオは、その高い芸術性と完成度から、「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」において「VIDEO OF THE YEAR（2015年のもっとも優れたミュージックビデオに授与される賞）」を受賞。映像と音楽の融合が見事に成功した作品として、高く評価されました。

カップリング曲：ライブのテーマと地元への想いを込めた楽曲

カップリング曲にも、見逃せない魅力があります。まず「二人三脚」は、「ゆず 弾き語りライブ　2015 二人参客 in 横浜スタジアム」の公式テーマソングとして制作された楽曲です。北川悠仁氏と岩沢厚治氏の共作となっており、互いに歌詞やメロディーの断片を交換し合うという、ゆず史上初の試みによって誕生しました。デビューから18年という歳月を振り返りながら、ファンと共に未来へと進んでいく力強いメッセージが込められています。岩沢氏は、デモ制作の様子を「サビのようなAメロです」「BメロっぽいDメロです」といったメモを添えた日記のやり取りに例えており、制作過程のユニークさも伺えます。この曲は、後に13thアルバム『TOWA』にバンドアレンジバージョンで収録されました。

もう一つのカップリング曲「みらい〜弾き語りVer.〜」は、9thアルバム『FURUSATO』に収録されていた楽曲の弾き語りアレンジバージョンです。ほぼ一発録りで制作されたこの曲は、横浜スタジアムでの弾き語りライブを前に、ゆずの2人が地元・横浜への深い想いを込めて再構築した作品となっています。

ライブとの連携：特別な抽選会

「終わらない歌」の発売は、単なる楽曲リリースにとどまりませんでした。横浜スタジアム公演会場では、今作を購入した方を対象に、ゆずの直筆サイン入りグッズなどが当たる抽選会が開催されました。楽曲とライブ体験が密接に結びついた、ファンにとって特別な企画となりました。

発売から「マスカット」までの空白期間

興味深いのは、この「終わらない歌」発売以降、約3年間、ゆずはCDシングルのリリースを行わなかったという点です。この期間は、ゆずの活動において重要な転換期であったと推測されます。その後リリースされた「マスカット」までの空白期間は、次のシングルに向けた準備期間、または異なる表現方法の模索期間だったのかもしれません。

「終わらない歌」は、単なるシングルとしてだけでなく、ゆずのキャリアにおいて重要な位置を占める作品と言えるでしょう。楽曲の完成度、ライブとの連携、そしてその後の活動に繋がる重要な要素が凝縮された、記憶に残るシングルとなっています。

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