終わらない歌 (井口裕香の曲)

井口裕香11thシングル「終わらない歌」：詳細解説

2019年2月13日、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントより、井口裕香の11枚目のシングル『終わらない歌』が発売されました。同日発売の12thシングル『おなじ空の下で』と合わせ、前作『革命前夜』から約3ヶ月ぶりのリリースとなります。

『終わらない歌』は、テレビアニメ『とある魔術の禁書目録III』の後期エンディングテーマに起用されたミディアムバラードです。力強く前を向く前作とは異なり、自然体で包み込むような温かさ、そして共に歩む前向きな光が感じられる楽曲となっています。井口裕香自身もレコーディングでは、力を抜いて歌うことを意識したとコメントしています。

シングルは、アーティスト盤(CD+DVD)、アニメ盤(CD+DVD)、通常盤(CD)の3形態で展開されました。それぞれの形態で収録内容が異なっており、収録内容の差異が購入形態選択の決め手になったファンも少なくないでしょう。

アーティスト盤には、「終わらない歌」のミュージックビデオ、メイキング映像、TV-CFを収録したDVDが付属しています。ミュージックビデオは九十九里浜で撮影され、当初予定されていた天体観測シーンは撮影されず、ホームビデオのような4:3のアスペクト比で制作されています。

一方、アニメ盤は『とある魔術の禁書目録III』の描きおろしイラストジャケット仕様で、同アニメの映像を使用したミュージックビデオが収録されています。このミュージックビデオは、TVサイズの楽曲に合わせて編集されています。

興味深いのは、ミュージックビデオの撮影が『おなじ空の下で』と同時に行われ、両作品が繋がった内容になっている点です。撮影順は『終わらない歌』の方が後だったにもかかわらず、『おなじ空の下で』のMV撮影中のオフショットのような構成となっているのもポイントです。

カップリング曲にも注目です。アーティスト盤と通常盤では「Turning Point」が収録されています。これは、井口裕香が自身の好みに挑戦した、聴き手にすっと受け入れられるような楽曲です。一方、アニメ盤のカップリングは「timid」で、以前から存在していた楽曲で、『az you like...』制作前に抱いていた葛藤や自身の心情を表現した歌詞が特徴です。「終わらない歌」とは対照的に、立ち止まることの許容を歌った楽曲となっています。

さらに、両シングルの発売を記念して、井口裕香オフィシャルYouTubeチャンネルで2回にわたる配信番組が実施されました。2回目の「発売記念特番」は、CD発売日である2019年2月13日に生配信され、ファンとの交流を深める機会となりました。

『終わらない歌』は、楽曲そのものの魅力に加え、ミュージックビデオやカップリング曲、そして発売記念番組など、多角的なアプローチでファンの心を掴んだ作品と言えるでしょう。単なる楽曲リリースではなく、総合的なエンターテインメントとしての一面が際立った作品として記憶されています。

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