経済財政諮問会議

経済財政諮問会議：日本の経済政策を担う機関

経済財政諮問会議は、日本の経済政策の中核を担う重要な機関です。内閣府に設置され、内閣総理大臣の諮問に基づき、経済財政政策に関する重要事項について調査審議を行います。その主な役割は、経済財政運営と改革の基本方針（通称「骨太の方針」）を取りまとめ、予算編成に反映させることです。

会議の構成

会議は、議長と10名以内の議員で構成されます。議長は内閣総理大臣が務め、議員には内閣官房長官、内閣府特命担当大臣（経済財政政策担当）が必ず含まれます。その他、関係省庁の大臣や日本銀行総裁など、政府関係者と民間有識者から構成されます。民間議員は、会議の議員数の4割以上を占めることが法律で定められており、経済界や学界などから選出されます。民間議員の任期は2年で、再任も可能です。必要に応じて、国務大臣を臨時議員として招いたり、外部専門家の意見を聴取したりすることもあります。

歴史と変遷

経済財政諮問会議は、2001年の中央省庁再編に伴い設置されました。設置の背景には、橋本行革による首相権限の強化があり、予算編成における官邸主導の体制強化を目的としていました。特に小泉内閣においては、経済財政諮問会議は重要な政策決定機関として機能し、「骨太の方針」に基づく官邸主導の予算編成が推進されました。従来の大蔵省（現財務省）主導型の予算編成から、官邸主導型への転換を促す役割を果たしたのです。

鳩山内閣時代には一時的に活動を停止し、廃止も検討されましたが、その後、第2次安倍内閣で復活しました。アベノミクス政策の推進において重要な役割を果たし、岸田内閣においても「新しい資本主義」の実現に向けた政策決定において重要な役割を担っています。

主要な政策と評価

経済財政諮問会議は、これまで数多くの政策決定に関わってきました。具体的には、予算編成過程の改革、金融システム改革、郵政民営化、規制改革、税制改革、経済成長戦略など、日本の経済政策の大きな転換点において重要な役割を果たしてきました。航空自由化政策においても、羽田空港の国際線枠拡大など具体的な政策決定に貢献しています。

一方で、民間議員に経済団体関係者が多く含まれることから、特定の利害が反映されているのではないかという批判もあります。また、会議の意思決定プロセスや透明性についても議論の余地があります。

所掌事務と今後の展望

経済財政諮問会議は、内閣府設置法に基づき、経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針などについて調査審議を行います。短期的な景気対策から、中長期的な経済構造改革まで幅広い分野を対象としています。

今後の展望としては、日本の経済課題解決に向けて、より透明性が高く、国民の意見を反映した政策決定プロセスを構築していくことが求められます。少子高齢化やグローバル化といった新たな課題への対応、持続可能な経済成長の実現に向けた政策提言が期待されています。また、経済団体だけでなく、多様な意見を反映できる体制づくりも重要となるでしょう。

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