経済農業協同組合連合会

経済農業協同組合連合会（経済連）とは

経済農業協同組合連合会（経済連）は、各単位農協が組合員となって組織する、都道府県単位の農業協同組合連合会です。単位農協は自然人である農家が組合員ですが、経済連は法人である農業協同組合が出資し、組合員となる点が特徴です。

経済連の役割

経済連の目的は単位農協と同様に、組合員の農業経営を支援することですが、その事業範囲はより広範です。特に、農産物の効率的な流通・販売を担うことで、組合員の収益向上に貢献しています。具体的には、農産物の集荷、運搬、販売、加工など、多岐にわたる事業を展開しています。

近年の動向

近年、全国[[農業協同組合連合会]]（JA全農）や県単一農協への統合が進んでおり、経済連の数は減少傾向にあります。これは、組織の効率化や規模の拡大を目指す動きによるものです。現在、経済連として残っているのは、北海道、福井県、静岡県、愛知県、和歌山県、熊本県、鹿児島県など、農産物出荷額の比較的多い道県に限られます。

現在残っている経済連

現在、以下の経済連が活動を続けています。

ホクレン[[農業協同組合連合会]]：北海道における経済連で、関係企業を含め最大規模です。旧北海道経済農業協同組合から名称変更しました。
福井県経済農業協同組合連合会（JA福井県経済連）
静岡県経済農業協同組合連合会（JA静岡経済連）
愛知県経済農業協同組合連合会（JAあいち経済連）
和歌山県農業協同組合連合会（JA和歌山県農）：旧和歌山県経済農業協同組合連合会が、和歌山県青果農業協同組合連合会と合併し名称変更しました。
熊本県経済農業協同組合連合会（JA熊本経済連）：2010年10月にJA全農との統合を見送りました。
宮崎県経済農業協同組合連合会（JA宮崎経済連）:2025年3月に宮崎県農業協同組合に統合予定です。
鹿児島県経済農業協同組合連合会（JA鹿児島県経済連）

部門別経済連合会（専門連）

一部の県では、特定の農産物を取り扱う部門別経済連合会（専門連）が組織されています。例として、以下の組織があります。

広島県果実農業協同組合連合会（JA広島県果実連）：果実のみを取り扱います。
熊本県果実農業協同組合連合会（JA熊本果実連）：果実のみを取り扱います。

単一農協又はこれに準じる組織へ移行した例

以下の県では、経済連が解散し、単一農協またはそれに準じる組織に移行しました。

奈良県[[農業協同組合]]
沖縄県農業協同組合
香川県農業協同組合
佐賀県農業協同組合：一部組合が統合していないため、完全な単一農協ではありませんが、佐賀経済連は解散し、事業を承継しました。
島根県農業協同組合：旧島根経済連は全農と合併しましたが、JAしまねの発足に伴い、全農島根県本部は廃止されました。
高知県農業協同組合：高知県では、青果物の経済部門は高知県園芸農業協同組合連合会が主導していましたが、2019年1月に高知県農業協同組合に事業移管されました。
山口県[[農業協同組合]]

JA全農と統合した地域

多くの地域では、経済連がJA全農と統合し、JA全農の県本部となっています。統合された地域は以下の通りです。

東北地方：全県（旧庄内経済連を継いだ庄内本部は山形県本部と統合）
関東地方：全都県
中部地方：山梨県、長野県、新潟県、富山県、石川県、岐阜県、三重県
近畿地方：滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県
中国・四国地方：鳥取県、岡山県、広島県(果実部門を除く)、徳島県、愛媛県
* 九州地方：福岡県、長崎県、大分県



経済連は、日本の農業を支える重要な役割を担ってきましたが、時代の変化とともにその姿を変えつつあります。JAグループ全体の効率化を目指し、今後も組織再編が進むことが予想されます。

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