結城神社

結城神社の概要

結城神社は、三重県津市に位置する神社で、南北朝時代の武将である結城宗広公を祀っています。宗広公は、後醍醐天皇の討幕運動に参加し、建武の新政後も南朝方として戦いました。北畠顕家公に従い、二度も陸奥から京へ攻め上りましたが、帰国途中に難破し、伊勢の地で亡くなりました。彼の墓とされる場所には、六体地蔵が置かれた塚があり、「結城塚」と呼ばれています。

歴史

1824年（文政7年）、津藩主の藤堂高兌公によって社殿が建立され、「結城神社」と命名されました。1879年（明治12年）には村社となり、翌年には明治天皇が祭祀料を寄付されたことを機に、社殿の改築と昇格の議論が始まりました。県が内務省に働きかけた結果、1882年（明治15年）には別格官幣社に列せられました。しかし、1945年（昭和20年）の津大空襲で社殿は焼失し、昭和30年代に再建されました。

特徴

結城神社は、後醍醐天皇の綸旨をはじめとする貴重な史料を所蔵しています。また、しだれ梅の名所としても知られており、2月から3月にかけて開催されるしだれ梅まつりの時期には、多くの観光客で賑わいます。この期間中は梅園が有料となり、梅園内にある結城宗広公の墓を参拝する際にも拝観料が必要です。

境内には剣道場「結武館」があり、子供から大人まで剣道の稽古が行われています。三重県剣道連盟の本部道場として、三重県剣道界の中心的な役割も担っています。2005年には、三重県剣道連盟設立50周年を記念して、「剣理通万法」と刻まれた石碑が建立されました。この碑の文字は、結武館設立時に、初代法務大臣や全日本剣道連盟会長を務めた木村篤太郎氏によって書かれたものです。

関連情報

結城神社に関する詳細な情報は、以下の文献でも確認できます。

二六興信所編纂　山田米吉編『勤王事蹟別格官幣社精史』34〜37頁　二六興信所　1935年
安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、63頁
* 白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、346頁

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