結核予防法

結核予防法（昭和26年法律第96号）

結核予防法は、結核の予防と結核患者に対する適切な医療の普及を目的として制定された法律です。この法律は、日本の結核対策において重要な役割を果たしました。

制定の背景

結核は、かつて日本において深刻な国民病であり、その対策は急務でした。1914年（大正3年）には、肺結核療養所の設置と国庫補助に関する法律が存在しましたが、その規定は簡素なものでした。その後、1919年（大正8年）に「結核予防法」（大正8年法律第26号）が初めて制定されました。しかし、社会情勢の変化や結核の状況に対応するため、1951年（昭和26年）に大正8年法を廃止し、同名の「結核予防法」が新たに制定されました。

法律の構成

結核予防法は、以下の章で構成されていました。

第一章：総則（第1条―第3条の2）
第一章の二：基本指針等（第3条の3・第3条の4）
第二章：健康診断（第4条―第12条）
第三章：予防接種（第13条―第21条の3）
第四章：届出、登録及び指示（第22条―第27条）
第五章：伝染防止（第28条―第32条）
第六章：医療（第33条―第43条）
第七章：結核の診査に関する協議会（第44条―第50条）
第八章：費用（第51条―第61条）
第九章：罰則（第62条・第63条）
第十章：雑則（第64条―第72条）
附則

これらの章は、結核の予防、早期発見、患者の治療、感染拡大の防止、および費用負担など、結核対策に必要な事項を網羅していました。特に、健康診断や予防接種に関する規定は、結核の予防において重要な役割を果たしました。

法律の廃止と統合

結核予防法は、2007年（平成19年）3月31日限りで廃止され、その内容は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律（感染症法）に統合されました。BCG接種については、予防接種法に統合されています。これにより、結核対策は感染症対策全体の中で位置づけられることとなりました。

関連項目

結核
公衆衛生
* 健康診断

もう一度検索