絵画館 (ベルリン)

ベルリン絵画館：ヨーロッパ絵画の殿堂

ベルリン絵画館（Gemäldegalerie）は、ドイツ・ベルリンにある美術館で、ベルリン美術館群を構成する一つです。ポツダム広場の西、ティーアガルテン地区の文化フォーラムに位置しています。13世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ各国の絵画を収蔵しており、そのコレクションは世界有数の質と量を誇ります。

所蔵作品のハイライト

アルブレヒト・デューラー、ルーカス・クラナッハ、ハンス・ホルバイン、ヤン・ファン・エイク、ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジオ、ピーテル・パウル・ルーベンス、レンブラント、ヨハネス・フェルメールなど、美術史に名を残す巨匠たちの名作が数多く所蔵されています。これらの作品は、ルネサンスからバロック、ロココに至るヨーロッパ絵画の変遷を辿る上で、非常に重要な位置を占めています。

歴史：王室コレクションから美術館へ

絵画館のコレクションのルーツは、ベルリン王宮の王室ギャラリーにあります。ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムとプロイセン王フリードリヒ2世の時代にコレクションは拡大し始めました。しかし、そのコレクションの中には、購入したものだけでなく、戦利品や略奪品も多く含まれていました。ポーランド分割時に押収された美術品や、ポーランド・ヴァーサ家の王室コレクション、ポーランド王ヤン3世のコレクション、ポーランド・リトアニア王スタニスワフ・アウグストのコレクションなどが、ベルリン王室ギャラリーに加えられていきました。

王室ギャラリーの初代館長はグスタフ・フリードリヒ・ワーゲンが務めました。1890年から1929年には、美術史家ヴィルヘルム・フォン・ボーデが館長となり、絵画館は国際的な評価を高めました。1904年には、多くのルネサンス美術品が新設されたカイザー=フリードリヒ博物館（後のボーデ博物館）に移されました。第二次世界大戦中、美術館は大きな被害を受けましたが、コレクションの多くはドイツ各地に分散されていたため、失われることはありませんでした。しかし、終戦時に高射砲塔防空壕の火災で400点以上が失われ、さらに数百点がアメリカとソ連に押収され、ソ連に略奪された美術品は返還されませんでした。残りのコレクションは東西ドイツに分割され、東ベルリンではボーデ博物館に、西ベルリンではダーレムに収蔵されました。2006年には、長らく行方不明となっていたアレッサンドロ・アローリの作品が返還されました。

建築と展示

絵画館は、文化フォーラムの南西角に位置しています。現代的な建築様式は、東西ベルリンを隔てたベルリンの壁への対抗意識から生まれました。ミュンヘンの建築家ハインツ・ヒルマーとクリストフ・ザトラーが設計し、内部は72の部屋に分かれ、床の総延長は2キロメートルに及びます。2階には、サッカー場ほどの広さの中央ホールがあり、彫刻展示スペースとしても使われます。地下には収蔵スペースや、職員が研究を行うための施設があります。

絵画館は、科学的な手法を導入した美術品収集と展示に力を入れています。各展示室は、特定の時代や様式に焦点を当て、1人から5人程度の画家の作品で構成されています。レンブラントの八角形の展示室や、ラファエロの聖母マリア像の展示室は特に有名です。北方フランドル派の宗教絵画コレクションは、画家たちの信仰心と官能的な表現の対比が印象的です。ルネサンス芸術の区域では、カラヴァッジオの「愛の勝利」とジョヴァンニ・バリオーネの「神の愛対世俗的な愛」が展示されています。これらの作品は、カラヴァッジオの作品に触発されたバリオーネが、同じテーマで模倣したという歴史的な背景があります。

コレクションの構成

絵画館のコレクションは、以下の主要な地域と様式に分類されています。

イタリア絵画：
ルネサンス期からバロック期にかけてのイタリア絵画の傑作が豊富です。ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジオなどの作品が展示されています。
ネーデルラント・ドイツ絵画：
北方ルネサンスからバロック期の絵画を中心に、デューラー、ホルバイン、レンブラントなどの作品が収蔵されています。宗教画や風俗画、肖像画など、多様なジャンルの作品が見られます。
フランス・スペイン絵画：
フランスやスペインのバロック絵画を中心に、印象派以前の絵画が展示されています。

絵画館は、これらの素晴らしいコレクションを通じて、ヨーロッパ絵画の歴史と芸術を深く理解する機会を提供しています。

参照資料

ベルリン絵画館の所蔵品'>ベルリン絵画館の所蔵品

外部リンク

Staatliche Museen zu Berlin | Gemäldegalerie
Kaiser-Friedrich-Museums-Verein Association of the friends of the Gemäldegalerie
www.kulturforum-berlin.com (文化フォーラムの情報)
* Review of Gemäldegalerie

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