絶対評価

絶対評価：生徒一人ひとりの成長を測る方法

絶対評価とは、生徒の学力や能力を、他の生徒と比較することなく、あらかじめ設定された基準に基づいて評価する方法です。相対評価と対照的に、個々の生徒の学習到達度を絶対的な尺度で測る点が大きな特徴です。

絶対評価の2つの種類：到達度評価と認定評価

絶対評価には、大きく分けて「到達度評価」と「認定評価」の2種類があります。それぞれ異なる評価方法を採用し、教育現場においてそれぞれにメリットとデメリットが存在します。

到達度評価：目標達成度を測る

到達度評価は、目標レベルに到達できたかどうかを評価する、目標基準型評価とも呼ばれる方法です。あらかじめ設定された学習目標（評価規準）に対して、生徒がどの程度達成できたかを、具体的な評価基準に基づいて判断します。

例えば、「鉄棒の逆上がり」を評価する場合、

評価規準: 逆上がりができるようになる
評価基準:
補助板を使わずに逆上がりができた
補助板を使って逆上がりができた
* 補助板を使っても逆上がりができなかった

といったように、具体的な達成レベルを設定することで、評価の客観性と透明性を高めることができます。

到達度評価は、生徒自身の学習状況を明確に把握させ、自己学習を促進する効果があります。しかし、評価規準や評価基準の設定は教師の主観に依存する部分があり、教師間の評価のばらつきが生じる可能性も否定できません。そのため、教師の専門性向上のための研修が不可欠です。

認定評価：教師の主観が介在する評価

認定評価は、教師が持つ独自の基準に基づいて評価を行う方法です。試験や課題、授業態度など、複数の要素を総合的に勘案して評価が行われます。この方法は、生徒にとって評価基準が不明確なため、教師への不信感を生んだり、教師への盲従を招く可能性があります。特に、茶道や華道、書道など、教師の熟練した技量や感性が求められる分野においては、この評価方法が用いられることが多いものの、生徒にとって不透明な部分が多く残ります。

絶対評価を取り巻く課題と展望

絶対評価は、生徒の成長を客観的に評価する有効な手段ですが、その実施にあたっては、評価基準の明確化や教師の研修など、多くの課題があります。特に、評価規準や評価基準の設定方法によっては、相対評価と同様に、評価結果の分布に偏りが生じる可能性もあります。

より公平で効果的な評価を実現するためには、評価規準・評価基準の設定、評価方法の透明性向上、教師の専門性向上のための継続的な努力が不可欠です。今後も、教育現場における絶対評価のあり方は、議論と改善が重ねられていくことでしょう。

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