絶縁抵抗計

絶縁抵抗計の概要

絶縁抵抗計（ぜつえんていこうけい）、英語ではohmmeterと呼ばれるこの機器は、電力回路の絶縁抵抗を測定するための専用の計測器です。一般にはメガー（Megger）という名称でも知られており、これは同名の企業が商標として利用していることに由来しています。この計測器は主に、回路保守や定期点検などに使用される重要な役割を担っています。

構成と動作

もともと、古いモデルの絶縁抵抗計は手回し発電機を内蔵していましたが、現代では電池を動力源とする電池式が広く普及しています。これにはアナログタイプとデジタルタイプが存在し、用途によって使い分けられます。主に測定するのは、回路の対地間や異なる線間の絶縁が正常かどうかです。この測定には25Vから2000Vの直流電圧が使用され、絶縁性能を判断します。ここで注意が必要なのは、対象機器の耐圧に応じた電圧で測定しないと、機器に損傷を与える可能性がある点です。

絶縁抵抗の重要性

回路の絶縁が不十分な場合、漏電が発生し、これが引き金となって火災や感電の重大なリスクを引き起こすことがあります。このため、特に重要な場面では、従来の停電測定が許されない場合に、漏れ電流計を用いる等の対策が求められます。

測定手順

絶縁抵抗を測定する際には、いくつかの手順を踏むことが重要です。以下は一般的な絶縁抵抗の測定手順です。

1. 準備作業: 測定に使用する検電器や絶縁抵抗計の電源確認、零点調整、異常の有無をチェックします。
2. 電源の開放: 測定を開始する前に、電源を開放し、電線が使用されている場合は中性線も同様に開放しておく必要があります。
3. 無電圧確認: 検電器かテスターを用いて、無電圧であることを確認します。
4. 保護措置の実施: 電力用半導体素子を含む回路や、過電圧に敏感な機器については、取扱説明書に従った保護措置を講じます。
5. 接地線の接続: 接地線に接地極をしっかりと接続します。
6. 絶縁測定: 専用の機器を用いて絶縁抵抗の測定を行います。
7. 電荷の除去: 測定した回路内の電荷を適切に逃がします。
8. 保護措置の復旧: 測定後は、保護措置を元通りに復旧させます。電線の場合はまず中性線から復旧し、次に電源を再接続します。
9. 電圧の復旧確認: 最後に、再び検電器を使用して電圧が復旧していることを確認します。

まとめ

絶縁抵抗計は電気設備の安全性を確保するために欠かせない道具で、特に漏電の危険を未然に防ぐために重要な役割を果たしています。技術の進化により、従来よりも使いやすく、より高精度な測定が可能となっています。定期的な点検と適切な測定手順の遵守が、安全な電気環境を保つ鍵となります。

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関連項目

• - 電気抵抗
• - 検電器
• - 絶縁体
• - 絶縁抵抗

外部リンク

• - Megger
• - 絶縁測定について（ECCJ）
• - 絶縁抵抗測定とは（JIS C 1302:2002 絶縁抵抗解説） - 三和電気計器

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